塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/12/15
349「リサイタル2025 御礼」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタル2025年
無事に終演しました。
いらしてくださった皆様
遠くから応援してくださった皆様
本当にありがとうございました。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ10曲を
完走することができました。

珍しく雨の降った日曜日。
私のリサイタルは必ず晴れるのですが
今年は朝から冷たい雨が降りました。
時々雨足が強くなったりして
車でホールへ向かうときはとても緊張しました。

今年は照明や衣装
髪型やメイク(私なりに)も頑張りました。
この1年間、メイク講座を受講したり
お芝居を見に行って
女優さんの立ち居振る舞いを研究したり
アナウンサーの方に
話し方やコンサートの企画について
アドバイスをもらったり
自分なりにアップデートできたことが
たくさんありました。

もちろん、演奏に関しても
勉強することが多く
ビブラート研究や
中音域の響かせ方
左手のテクニックなど
小さな練習を積み重ねました。

全てを完璧にはできませんでしたが
それぞれのエッセンスをちりばめて
変化があったリサイタルになりました。
お客様がリラックスして音に浸っている感覚や
自分の音がホール奥まで飛んでいく様を
今年はしっかりと見て感じることができました。

【涓滴岩をも穿つ】
小さな積み重ねは大きな力になる

失われた私の一部は
1ミリの積み重ねから
また始まっています。
安易に
空虚な
積み重ねをするのではなく
自分の手で確かめながら
ひとつひとつ
静かに重ね合わせていきたいです。


皆様に感謝して。







2025/12/14
348「私の1年を表現する場所」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日のブログは予約投稿にしています。
さすがに本番当日は書ける自信がないので・・・



私にとってリサイタルは
1年間の自分を俯瞰する重要なコンサート。

どれだけ努力したか
準備に抜かりはなかったか
チラシの文言やプログラムに
自分自身の思いと乖離はないか
自分が経験したことがちゃんと表現できるか
それらがきちんとお客様に伝わるか

リサイタルにいらっしゃるお客様は
長年私の演奏を聴いてくださっている方が多いです。
私の軌跡を見てくださっています。


私はその視線を
良い意味で裏切っていきたいと思っています。


心を動かすには
驚きや視点の変換が必要になります。
いつも同じ変わらぬ自分ではない
変化球を投げられる音楽家でいたい。
音楽に関しては
さまざまな試みをしていきたいと思っています。

今日の演奏が
誰かにとっての
心動かす日となりますように。


*今回のチラシデザインは、私の状況をずっと見守ってくれるデザイナーさんに
「心のひだまりをイメージしました」とのこと。
薄くとも、やわらかくポッと灯るひだまり。まさに私の今の状況だと思います。
ありがとうございました!





2025/12/13
347「リサイタルへの最終ステップ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

風が強くて冷たかった昨日。
リサイタルのための
ピアニストとの最終リハーサルを終えました。

娘たちが小さかった頃は
ピアニストに我が家へ来ていただいて
アップライトピアノでリハーサルをしていました。
その頃は、スタジオを借りるという概念がなく
リハーサルは自宅かピアニストの自宅が基本でした。
ピアニストによっては
仕事や予定の具合で
私の家でリハーサルをする方が良い方も多く
来ていただけると本当に助かりました。
アップライトピアノもそう悪い音ではなく
音響の良い部屋も相まって
我が家でのリハーサルは
悪いものではありません。

娘たちが幼稚園や学校に行っている間の時間。
それ以前は単発で預かってくれる保育園や
預かり保育をしているご家庭にお願いして
リハーサルの時間を捻出することの大変さ・・・
個人練習は娘たちが寝静まった夜中のキッチン。
翌日の食事を仕込みながら
弱音気をつけての練習は必死の形相でした。
その頃はプログラムも自分で印刷していたので
夫が私の横でプログラムを折る手伝いをしてくれていました。

【とにかく、今できることを最大限にする】
言い訳をするな
できることを地道にやれ
できない、と言わない

その頃、私が思っていたことです。
子育てを言い訳にしない。
全部を人任せにしないで
自分でできることは自分でオーガナイズする。

ちょっと大変だなぁ、と思うことはあっても
できないわけじゃないんだよなぁ、と
様々なハードルを、手を変え品を変え
積み上げてきた経験は着実に自分のものになりました。



最終リハーサル後の帰り道で
沸き上がる【思い出】に押しつぶされそうになって
思わず寝たふりをしました。
『あの時間はもう戻らないんだなぁ』と
寂しく思ったり
『もう、あんなに頑張りすぎなくてもいいんだよ』と
自分の肩をポンポンと叩いてあげたいような
複雑な思いに駆られました。

毎年のリサイタル。
一つ一つの本番に
家族の思い出がいっぱい詰まっています。
今年のリサイタルも
その中でひときわ輝いて
私の心の引き出しにそっと置かれる気がします。
たとえ、その場に存在するのは私ひとりだとしても
プログラムの中に
曲の中に
ホールの中に
家族がちゃんといるような気がします。


心を込めて










2025/12/12
346「stand.fmはじめています」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今週初めから、秘かにstand.fmを公開しています。
リサイタルの曲目案内や
プログラムの曲目解説をご案内しています。

きっかけは去年のリサイタル後に
姉と話していて思いついたことです。
私の姉は視覚障害者です。
中途失明ですが、見えなくなってからの努力で
大抵のことは自分でこなせます。
ただ、外出のサポートは
時と場合によって必要なので
私のコンサートへは
安全のために同行援護の方を伴って
聴きに来てくれます。

その時に、曲目解説を読むことができないのが
とても残念だ、と聞いたのです。

同行援護の方に、解説文を読んでもらうとなると
専門用語につまずいてしまって読み進められないことがあるとのこと。
自宅に帰っても、プログラムは音声読み上げ機能に対応していないので
結局そのままになってしまうとか・・・

なんと・・・
そうであったか・・・


それならば
私が解説文を読み上げて
音声として聞いてもらえれば
楽しいのではないだろうか?
(私の声を、好きだと言ってくれた第一号が姉でした)

数年前に次女が作ってくれた
stand.fmのアカウントを使って
解説文を読むことにしました。

なかなか勇気が出なくて
結局、本番直前になってしまった・・・という
私自身の「ポンコツ」ぶりですが・・・

リサイタル前に
予習として聞いていただくのも良いですし
リサイタル後に
じっくりと聞いていただいても良いと思います。

毎日忙しくて
落ち着いて文字を読むことのできない方。
小さい文字が(老眼で)読みにくくなった世代の方。
耳からの情報が、頭に入りやすい方。

そう、プログラムって読むだけではないんですね。
聞いたってかまわないのですもの。

新しい挑戦をしてみたので
ご興味ある方は聴いてみてくださいね。
(レコーディングは一発勝負で臨んでいます。
アナウンサーではないので、お聞き苦しかったらゴメンナサイ💦)

↓【公式】音の旅人stand.fm










2025/12/11
345「リストをつくる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本番3日前になると、音楽家はどんな準備をしているのか?
気になりませんか?
私も他の方がどんなふうに過ごしているのか気になります。
年代や環境によって
楽器によって
様々な過ごし方、準備のしかたがあるのだと思います。

私の場合・・・
リストが頼みの綱になります。
頭の中がほぼ、本番の曲でいっぱいになってしまうため
他のことにつかう記憶のキャパシティが極端に少なくなります。
(ポンコツなので・・・)
そのため、スケジュールや事務作業、掃除や洗濯、献立など
全てを紙に書き出して頭の中の渋滞を解消させておきます。

これが案外大切なことなのです!

いくら頭の中でシミュレーションしていても
いざとなると忘れて二度手間・・・
50代も半ばになってくると
サクサク動くことが難しくなってくるので
見積もる時間に甘さが出てきます。
ただでさえ時間が足りなくて焦っているのに
ストレスが増えることを自ら増やしたくないですよね。
そして、タスクばかりに追われてホッとする時間を失ってしまうと
余裕がなくなって音楽もギスギスしたものになってしまいます。

まずは紙に書き出すこと。
頭の中にあることをすべて出してみること。
持ち物・事務手続き・準備・献立・掃除・生活用品の買い出し・・・
音楽家も生活しているので
衣食住の管理はマストですから疎かにすることができません。
生活するって本当にたくさんの細かい用事がありますよね・・

そこから仕分けをしていきます。
本番に関すること
本番後に必要なこと
生活に関すること・・・
仕分けの項目は人それぞれかもしれませんが
私は音楽関係と生活関係に分けることが多いかもしれません。

そして忘れてはいけない項目は
ホッとする時間と休む時間。
タスクばかりに追われることのないようにします。
私の場合は
お茶時間や好きな番組を見る時間なども
しっかり確保します。


そして細かく区分けして
リスト作成まで辿り着ければ
心が安心します。

大丈夫、できるぞ!
そんな気持ちになれば
本番は素直な気持ちで向き合うことができます。

この方法は
ライフオーガナイズの手法と全く同じ。
空間を整理することと
頭の中を整理することは
同じなんだ・・と実感することができます。
この基本を自分の中に定着すると
生きることが少しだけ自分に寄り添ってくれるようになります。

私がライフオーガナイズに出会って変わったことは
自分の人生を、自分に引き寄せて
自分でコントロールしていく技術を学んだことでしょうか。

リサイタルを開催することも
以前よりさらに、じっくり向き合うことができるようになりました。

そんなお話も
これから少しずつできればと思っています。







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