塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/09/30
273「5冊のノートを駆使しています」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ノートの話・つづき。

私はノートを複数使っています。
手書きが好きです。
本当は、1冊にまとめて
いつでも情報にアクセスしたいという欲求があるのですが
なかなかうまく管理ができません。

  • 荷物は少ない方が良いし
  • カフェでノートを書く習慣がない
  • 仕事やリハーサル、行事などはサッと確認できた方が良い
  • 思考の整理をするときは自宅で静かな夜が良い

そうなると
必然的にノートが複数必要になります。

私の場合は
1.スケジュール帳(メインで使っていていつでも手元にある・移動時には必ず持っていく)
2.家計簿(お金のコトが全部記載してある)
3.受講した講座・仕事のノート
4.思考整理のノート
5.発信・執筆記録ノート

この5冊が毎日をサポートしてくれます。

このうち、家計簿は10月から移行します。
年末年始は忙しいので
1年の振り返りを9月にしています。

スケジュール帳は1月開始ですが
12月には移行しています。
1年の振り返りをしつつ
10月から予定を書き写す作業をしていきます。

その他は、ノートがなくなるまで使っています。
(来年は、5冊目が仕事ノートに集約される予定です)

『ノートの使い方』や『スケジュール管理』という言葉にワクワクして
ついつい電子雑誌に見入ってしまう・・・
今の時期が、1年の中で一番、雑誌や本を眺めてしまうかもしれません。
(購入してしまわないように要注意)

明日から10月。
ノートのセットアップを楽しみます。



2025/09/29
272「スケジュール帳は月曜始まりに」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

文房具売り場をのぞいたら
手帳のラインナップが出そろっていました。
ワクワクする季節です。

私の来年のメイン手帳は
いつもの日曜始まりから変更して
月曜始まりにしようと思っています。
大きな変更です・・・
すでに、予定を書き写す作業から
ミスが起こりそう・・・

今までは
予定の全てを壁掛けカレンダーに記入していました。
家族の予定を把握するためと
スケジュールの共有のためでした。
そのため自分の手帳は、自分の予定を中心に
行事や食材や日用品の買い物の予定を書き込んでいました。

壁掛けカレンダーはほとんど日曜始まりです。
そのために、自分の予定表に書き写すときに
同じ日曜始まりでないと間違う頻度が上がります。

家族が分散して生活するようになって
壁掛けカレンダーの必要がなくなりました。

自分の行動や思考を考えても
月曜始まりの方がしっくりくることがわかりました。

  • 週の始まりは月曜日という意識
  • 週末は土曜日と日曜日という感覚
それでも、なかなか長年の習慣を変える勇気がなくて
先延ばしにしていたのですが
「壁掛けカレンダーを使っていないのだから
変更しない理由がない」という思いから
来年(正確には今年の12月から)
月曜始まりにします。

・・といいつつ
「やっぱり使いにくいな」と思えば
日曜始まりに変更します。

さて、どんな日々が待っているのか。
たくさんの仕事に恵まれるように
頑張っていきたいものです。






2025/09/28
271「自分の文章」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

自分の文章がどのように読まれているのかわからないが
一部の人には喜んでもらえているらしい・・・

毎日文章を書くようになって
他の人はどんなことを書いているのか
気になった時期があった。

アレコレ読み流して
様々な書き方を真似してみたりした。

しっくりきたり
チグハグになったり
自分らしかったり
よそよそしかったり

その中から何人かの人は
そっと覗きに行って
参考にさせてもらっている。

ファッションのこと
生活雑貨の事
シニア生活
食べ物について

文章を読むことによって
「あぁ、そうだよね」
「なるほど~」と
温かい気持ちになれば
それでいいと思っている。

私の音楽も同じ。
アレコレ私の心の中は嵐のようになっているけれど
聴いてくださる方が
心穏やかに
全てを包みこんで
音の中に沈みこめば良いと思っている。

私一人の騒ぎは
私だけが知っていれば済むこと。

さて、12月までに
どこまで自分をかき混ぜることができるのか?

自分を楽しみたいと思っている。






2025/09/27
270「自分を手当てする」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ようやく涼しくなったと思ったら
また暑さのぶり返し。
行ったり来たりしながら
季節が動いていくことを感じます。

陽ざしが秋らしくなって
日暮れも早くなりました。

この数年で
季節を丁寧に追っていく大切さを学びました。

時々
心が壊れそうになる時があります。
それは突然やってくるので
防ぎようがないから
自分で「手当て」する必要があります。

そんな時、
ふと視線をズラして
外を見渡せば
小さな動きに目を留めることができます。

風の音
陽ざしのあたたかさ
人の営む生活音

自分以外の生きている動きを感じることで
自分自身の鼓動を再確認することができる。

今年の秋は始まったばかりです。

【GRACEFUL STYLE】

二十四節気に沿って
自分を整えるメッセージを発信しています。
1か月に2回ほどの季節の変化を
ご一緒に体感してみませんか?
ご興味あれば
是非登録してください。



2025/09/26
269「コンサートを開催する日を決める」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

絵本コンサートまであと1週間です。
今回は新しい絵本を選んでいるので
タイミングや読み方も新たに練習しなければならず
ちょっと時間が迫ってきているので焦っています。

当日は地域の催しが目白押しとのことなので
どれだけの方が興味を持っていらしてくださるのか
見当もつかないので
それもまた小さなストレスです。

日時に関しては
施設側の指定だったので
粛々と準備を進めていきます。

近頃はお天気の急変などで
災害級の雷雨になったりするので
コンサート開催も気が気ではない感じです。

春は学校の運動会
秋も運動会や秋祭りの他
台風やゲリラ豪雨などにヒヤヒヤ・・・
12月はコンサートが目白押しなのでお客様も忙しく
年が明けてくると雪の心配が・・・

落ち着いてコンサートができる季節が
少なくなってきているような気がします。

私にとって
小さなコンサートも全力疾走。

どうか
また新しい出会いがありますように。







2025/09/25
268「何かを手放す」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

2025年も残りがわずかになってきています。
あと3か月でしょうか。
これから加速する日々を前に
しっかりと現状把握と来年のことを
少しでも考えておきたいと思っています。

私の場合は
「手放すことを考える」

今まで、深く考えることなく引き受けていたこと、
続けていたこと、惰性でこなしていたこと。
再考する1年だったように思えます。

「これは本当に自分にとって大切なことなのか」
「自分ではない他の人が担ってもできることではないか」

自分ではない誰かができることは
自分がやらなくても構わないこと・・・

それを手放しても
自分が失われるわけではない

一見して冷たく聞こえるように思えますが
私たちの年代には必要な考えかもしれません。

人のためだけに時間を使い切ってしまっては
自分のためにはいつ時間を費やせるのか?

何かをするときに
ちょっと立ち止まって考えたい
ポイントの一つを
この1年で学んだように思います。

手放すことは
ちょっと怖いし
ちょっとドキドキするし
後悔したらどうしようと思うし
寂しく感じたり
ホッとしたり・・・
様々な感情が入り乱れます。

それでも
生きていくことというのは
その繰り返しなんだな、と思うこの頃です。

手放してよかった、と思えるような日々が訪れるように
頑張っていきたいと思います。




2025/09/24
267「タスクが増えてきたら優先順位を見直す」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

朝夕の涼しさに助けられています。
気持ちがホッとしているのですが
タスクが増えてきているので気を引き締めています。

  • 予定の確認
  • 時間配分
  • 的確な連絡

ジャンルがバラバラな今の状態を
スムースに、ストレスなくこなすために
優先順位を決めていかなければなりません。

私の場合は主に
  • ヴァイオリン演奏関係
  • 母としての役割
  • 地域の役職関係
この3ジャンルをこなしていく必要があります。
時と場合によって割合が変わりますが
どれも重要なものです。

今、それぞれの役目には
どんなことが必要で
どのくらいの時間がかかるのか?

パズルのように組み立てて
ゆっくりでもいいから確実に進めていくこと。

自分のポンコツを認識しながら
予定を詰め込まないようにしています・・・





2025/09/23
266「秋分の日」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

秋分の日。
気温がストンと落ちて
ようやく深呼吸ができるようになりました。

【暑さ寒さも彼岸まで】
秋分の日、春分の日はお彼岸の中日となります。
どんなに暑くても、寒くても
この頃には和らぐから安心してね・・・といった感じでしょうか。
今年は一体いつになったら涼しくなるのだろうか、
本当に涼しくなるんだろうか、と真剣に心配しました。

「お彼岸はあの世とこの世が近くなる時」とも言われ
お墓参りをする方も多いようです。
家族を身近に感じることは
私にとっては辛い思いもあり
焦燥感と絶望感に陥るときでもあります。

それでも、思いは消えないし
私自身は
丸ごとすべてを抱えたまま生きることを選んでいます。

音楽家として生きることは
ほんのちょっと
心が敏感だったり
感覚が研ぎ澄まされていることかもしれません。
心が破綻しないように
自分をコントロールする術を持ちながら
演奏している姿は
案外、周りで見られているほど華やかでもなく
かといって
悲壮感が漂うほどでもなく
淡々としているということです。

12月のリサイタルに向けて
みなさまへの
ご案内の文章を考えながら
自分の思いに最適な言葉探しをしています。







2025/09/22
265「気合を入れる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

風の香りが変化しつつあります。

季節が動いてきている。

心が動いてきている。

年末に向けての準備が静かに進行中です。

今年はリサイタル後に
すぐに小さなコンサート(絵本コンサート)が控えているので
体調管理を万全に臨みたいものです。

深呼吸をしつつ
改めて気合を入れて
頑張ろうと思います。

様々な会場でお会いできることを願って。



2025/09/21
264「秋の気配」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ようやく気温が下がってきました。
短い「秋」の始まりでしょうか。

音楽家にとっての秋は
シーズン到来といった感じで
演奏する機会が増えてきます。
ワクワクする気持ちと緊張感。

自分のコンサートだけではなく
様々な楽器・団体の演奏会も開催されるので
覗きに行くのも楽しみのひとつです。

今日は吹奏楽団のコンサートを聴きました。
弦楽器やオーケストラの演奏と違って
管楽器は音量も大きく迫力が違います。
ダイレクトに響くサウンドに酔いしれました。

良い刺激をいただいて
自分の音楽にも反映させたいものです。









2025/09/20
263「絵本コンサート ご案内」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

絵本コンサートを開催します。
去年、ご縁があって地域のコミュニティハウスにて
長年温めていたコンサートを開催しました。

「絵本を読み聞かせながら、その絵本の世界観にあった曲を選び、演奏する」

選ぶ絵本は、私の好きな絵本。
読み聞かせも好きなので楽しい。
絵本を読んでいると浮かんでくる曲を
そのまま演奏する。

自分の好きなことを聞いてもらえる・・・という楽しい作業です。

今回は絵本コンサートに付随して
小さな名曲を曲目解説付きで演奏します。

ヴァイオリンの音を
身近に聞いてもらうこと。
本物を感じてもらうこと。
音楽を楽しんでもらうこと。




ご興味のある方は
お問い合わせください。


2025/09/19
262「コンサートの感想をいただきました」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

MuBe'88 コンサートの感想をいただきました。

  • 楽しませていただきました!絵本コンサートは異なる迫力のある生演奏を味わいました。贅沢な時間をありがとうございました。
  • ヴァイオリンとピアノが呼応しあうような最高峰の名曲に酔いしれたひとときでした。聴かせていただくだけでエネルギーチャージされる気がします。
  • バイオリンとピアノの音色が、遊び合う生き物みたいだった。
  • 全くの別世界に連れていかれたような・・・素晴らしかったです。
  • クラシックな雰囲気に厳かな奏楽堂は格別ですね。重要文化財での演奏会、今も余韻が残っています。
  • ベートーヴェンのすばらしさを堪能しました。
  • ベートーヴェンはやはり引き込んでいくと面白いのだと思います。楽章ごとに特徴が良く出ていて(2楽章が好き)楽しめました!
  • 優しい美しい曲も良いですが、やはりベートーヴェンは圧倒されます。頑張って、困難を乗り越えて、歓喜にいたりましょう。

お客様の感想を読ませていただくと
その時の気持ち、昂り、心のひだが現れていて
とても厳粛な気持ちになります。

「伝われ!」と思ったことが
ちゃんと届いていることを感じる幸せ。

言葉を紡いでくださって
ありがとうございました。




2025/09/18
261「舞台上は大きく見えるが、実は小柄です」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

「案外、小柄なんですね」

ハイ、今回のコンサートでも言われました。
演奏が終わって出口でお客様をお見送りする場所に立っていると
何人かの方から声をかけられました。
ちょっとびっくりされた様子で
近寄ってこられて
コソッと囁かれると
ついつい苦笑いしてしまいます。

舞台で見る私は
かなり大きく見られるようでして・・・
ヒールもそんなに高くないですし(3~5㌢)
大きく見せている要素はないので
伸び伸びと演奏しているということになるのでしょう。
(態度がデカいだけ?)

それも私の一つの個性として
大切にしたい要素です。
細やかで繊細な部分と
大胆で切り込み隊長のように先頭を駆け抜けていくような
様々な面のある音楽家になりたいと思っています。

12月のリサイタルでは
いつも意表を突くような
新しい面を見ていただいています。

どうぞご期待くださいね。





2025/09/17
260「音楽家が演奏とお話をするときに気をつけていること」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

以前は、音楽家は黙々と演奏することが仕事でした。
客電が消えて
舞台が明るくなると
演奏者が舞台へ現れ
淡々と音楽を奏でる姿を
聴衆はひたすら食い入るように見つめているだけでした。
それは、当たり前のこと。
普通の事でした。

私がドイツへ留学した時に
曲目解説をしながら演奏するスタイルに初めて出会い
衝撃を受けました。
(そもそも、入学試験の時に
自分の演奏する曲目を目の前にいる教授たちに言わなければならず
しどろもどろで話した記憶があります。
それは、言語能力を測るためでもあったのですが・・・)

私が一番記憶にあるのは
クララ・シューマン(ロベルト・シューマンの妻)の作品を紹介するコンサート。
ピアニストの女性が
ピアノ曲・ヴァイオリン曲・室内楽曲を紹介しながら演奏するスタイルは
さながら大学の講義のようなコンサートでした。
聴衆もとても興味深く聞き入り
演奏後はピアニストに質問する人たちでいっぱいになり
「さすがドイツ人だわ」と感心したものです。

私がレクチャーコンサートをしてみようと思ったきっかけは
まさにそのコンサートで
帰国してすぐに真似をして始めました。
約30年前の事です。

ただ、話す労力と演奏する労力は全く違います。
話に夢中になると
息が上がってしまって演奏に集中できない。
演奏に集中すると
話すことを忘れてしまう・・・
毎回、試行錯誤の連続でした。

それが今では、演奏者が話をするのは当たり前の時代。
その魅力のために、コンサートに足を運ぶお客様が増えたことも確かです。

ただ・・・
私が気をつけている唯一の事は
お客様の一歩先を行くこと。
プロとして演奏するならば
ひとつでもプロらしい視点からのお話を
持ち帰っていただきたいということです。

曲目や作曲家、その時代の出来事や背景は
調べれば誰でも情報を得ることができます。

そのうえで
私たち音楽家が実際に演奏して感じたこと
共感・違和感・疑問などを
自分の言葉で語れるようにしたいと思っています。


言葉は大切。





2025/09/16
259「留学報告会・開催」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

長女が1年ぶりに一時帰国をしています。
本来であれば、3月に予定されていた計画だったのですが
事情で計画を変更。
フライトも
「9月だったら、きっと、大丈夫だろう」
という予測での変更でした。

目まぐるしい予定をこなしながら
一時帰国を楽しみにしている様子ながらも
6月ころに
「ホームコンサートを開催したい」
という希望を伝えてきました。
2年間の留学期間で得たことの大きさ
コンテンポラリー作品への充実した勉強と実績
生活・精神面などのことを
アウトプットしながら
少し整理してみたいとのことでした。

  • 9月初め
  • 30分のコンサート+海外音大生の日常や生活について聞くお茶会(2時間)
  • 限定5~7名
コンサートの企画運営に関しては
私よりも経験豊富な長女がサクサクと決めていきました。

私の役割は
タイムキーパーとスムースに進行させること。

当日のお客様は5名。
どの方も、長女を心から応援している大切な方々。

短いあいさつの後で
コンテンポラリー作品を
曲目解説しながら2曲演奏。
その後は、お客様と演奏方法や作品についての話をして
楽器を身近に見てもらいました。
場所を移動して
お茶を飲みながら
生活の話・思考の話・これからの展望の話をして2時間終了。

ひとつの区切りを大切にすることは
次への着実なステップになります。
こういった報告会を開催することで
自分の思考を整理することができ
言葉によって
改めて自分自身の方向も定まったのではないかと思います。

2年間の音楽修行生活は平たんではありませんでした。
理不尽な思いをしたことも
悔しい思いをしたことも少なくはありません。
ただ、それだけで終わらずに
小さなチャンスをつかみ取って
大きな実に育てることも
新しいご縁に繋げることも
地道な努力で続けてきました。

その姿を見守ってくださっている方に
今回の催しは
一番の御礼になったのではないかと思います。











2025/09/15
258「お月見の季節・閑話休題」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

コンサートを終えた後は
少し余裕が欲しくなります。
本番にむかって緊張していた心と身体を
少しだけ柔らかくしたいものです。

9月も半ばになりました。
この時期の和菓子屋さんは
工夫をこらした「お月見○○」のお披露目が盛んです。

今年の中秋の名月は10月6日。
(満月ではありません)
旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしの事とのこと。
太陽暦に基づいて決まるので、毎年違う日になるそうです。

そんなことを
「ふむふむ・・・」と調べながら
お月見だいふくを食べる幸せ。





2025/09/14
257「リハーサル方法は多様化する」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

まだまだ暑い日々。
近頃は湿気が高くて本当に蒸し暑い日々です。
さすがに頑丈な私も、暑さの疲れでヒーヒーしています。

さて、今回の奏楽堂でのコンサートの準備で
気をつけたことを書いていきたいと思います。
「賛助出演」というお役目をいただいてのコンサートだったので
少なからず責任をもって演奏することは必須でした。
さらに、30年以上続くピアノグループとしては初めての室内楽演奏。
聴きにいらっしゃるお客様も、きっと興味をもって楽しみにされていることでしょう。
自分の練習はもちろんのこと、共演者のピアニストもしっかり準備していかなくてはなりません。

奏楽堂のホールはなかなか難しい響きだったなぁ、と過去の演奏会を思い出しながら
どんな状況・ピアノの状態・音響でも演奏を楽しめることが大事だと思いました。
そのために、我が家のアップライトピアノでのリハーサルを大幅に減らして
練習スタジオを借りて、色々なグランドピアノで弾いてみることにしました。
(さらに今回は、ホール練習もできたのでとても助かりました)
今まで馴染みのなかった練習スタジオ。
探せば色々とあるのですね。
リハーサルは我が家で・・・というのが当たり前だった時代は過ぎました。
状況に応じて、スタジオを探して
グランドピアノでリハーサルをして、音響を確認することの大切さを改めて思いました。

ピアニストも、様々なピアノでのリハーサルを重ねたおかげで
本番のピアノにも反応が早かったように思います。

試行錯誤はいつまでも続く。
演奏することに、小さなこだわりを持って
常に高みを目指したい、と思うこの頃です。







2025/09/13
256「奏楽堂でのコンサート・終演」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

9月になるとコンサートシーズンを迎えます。
私にとって、これからの季節は身の引き締まる日々です。
昨日は「MuBe'88 ベートーヴェンの夕べ」コンサートでした。
お足元悪い中、お越しいただいたお客様に感謝申し上げます。

今週になって急にやってくるゲリラ豪雨にビクビクしながら本番を迎えました。
お天気は曇り。
いつ雨が降り出してもおかしくないような空模様でした。
湿度が高く、少し動くと汗ばむような気候。

久しぶりの夜公演のため
カンを取り戻すのに一苦労でした。
(いつ、何をどのくらい食べるか?というのが結構重要だったりします)
さらに、ジョイントコンサートのため
出演者が多いのも難しいシチュエーション。
(いつ着替える?自分に集中するにはどこが静か?など)

湿気を気にしながら準備していましたが
ピアノのコンディションはもっと大変そうでした。
なにしろ、演奏者によってタッチも音量も全く違うので
調整に気を遣います。
演奏者それぞれの椅子の高さを入念にチェックして
ピアノの音に耳を澄まします。
今回は歌・ピアノソロ・ヴァイオリンとの二重奏と編成も違うので
会場への音の届き方も千差万別。

ヴァイオリン族の私は
とにかく自分の楽器に集中して準備を進めました。

共演者の川元真里さんとは
様々なコンサートでご一緒しているので
最後は「お互い全力で楽しむ!」ということで
35分間を弾き切りました。

重要文化財の「奏楽堂」は
懐が大きく、さすがの風格に助けられました。
西洋音楽の黎明期を生きた音楽家たちの息吹を感じて
演奏中はとても豊かな気持ちになりました。
彼らから続く、日本人音楽家の末裔として
少しでもその舞台に音を刻むことができた幸せ。

何度か演奏しているホールですが
今回は特に「歴史」という時の流れを感じるひと時でした。

お客様にとっては
階段が多くて難儀だったり
古い建物なので、廊下等が暗いことなど
普段のコンサートホールとは違った面もありますが
みなさん「来てよかった」「雰囲気がすてき」と
とても好評でした。

まずは御礼まで。





2025/09/12
255「ベートーヴェンとの会話」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本日は奏楽堂でのコンサート。
湿気が高く
演奏会には不向きな気候ですが
大切な『クロイツェルソナタ』を
自由に演奏したいと思っています。

孤高の人、というイメージの強いベートーヴェンですが
私の中では気楽な相談相手。
「私はこの部分を、もっと自由に弾きたいけれどいいかしら?」
「好きなように弾いてみなさい、どう弾いたって私の思うようになるのだから」
といった感じで、
かなり私の思う通りに弾かせてくれる寛大なベートーヴェンです・・・
(本当は怒っていたらどうしよう・・・)


今日演奏する方たちの
様々な「ベートーヴェン像」が共鳴しあって
お客様が
一人の作曲家の
多方面を楽しめるコンサートになることを
心から願っています。






2025/09/11
254「未来の年代へ向けて」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

近視・・・
老眼・・・
年齢とともに、目の不具合は出てきます。

今まで問題なく譜面が読めていたのに
なぜか時間がかかったり
音符の輪郭があやふやになったり
加線の数を間違えたり・・・

ヴァイオリンソナタは基本的には譜面を見ながら演奏しますが
ほぼ暗譜に近い状態で準備をしています。
私の場合は、曲の構成を譜面の「あのあたり」と記憶して
確認作業しながら演奏しているといった感じです。

ただ、近頃は
そう思っていても
瞬時にその音に目線が着地する時間に誤差があり
ヒヤリとすることが多くなりました。
時には乗り遅れて弾き損じることも。

さすがに老眼鏡姿で演奏するのは
もう少し先延ばしにしたい。
(でも、そうなったときのために
おしゃれなリーディンググラスを見つけておこう)

その前の対策としては
  • 「焦らない」← みつからない!と焦ると余計な力が入る
  • 「自分を過信しない」← 自分は大丈夫!という謎の自信が私の場合は落とし穴
  • 「少し先に準備する」← 先の自分をみることと同じで余裕をもちたい

年齢を重ねることに異議はありませんし
(無駄にあがきたくない)
仕方のないことですが
ちょっとした工夫が必要のようです。

この工夫は生活の中でも活きてくることです。

誰かの時間に合わせて急ぐ時代は終わりました。
少し自分に目をかけて
これから未知の年代へ向けて
試行錯誤を始めてみようと思います。




2025/09/10
253「話をきくだけでも」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

「MuBe'88 ベートーヴェンの夕べ」
本番が迫ってきました。

他の演奏者とご一緒するジョイントコンサートは久しぶり。
「クロイツェルソナタ」だけを演奏するのも久しぶり。
夜の公演もひさしぶり・・・
久しぶりの事が多すぎて、準備もアタフタとしています。
そんな状況も楽しくて
やはり演奏する場所をいただけているのは幸せなことだと思っています。

子育て中に頑張って
演奏機会を途切れさせなかったことや
家族を巻き込んで準備していたこと
終わりがあるならば・・・と本番前日もお弁当を作ったり
本番当日に模試の送迎をしたり
終演後に翌日のお弁当の仕込みをしたことが
懐かしくなります。

その時には辛くて大変だったことも
いつまでも
忘れずに
ずっと心に留めておきたいと思っています。

今、大変な時期を通っている演奏家や
頑張っているお子さまを応援している親御さん。
それぞれ状況は違うと思います。

それらを静かに受け止めることが
私にはできると思っています。
話を聞いてもらうだけでも、ホッとします。

次女が言いました。
「結局、決定するのは自分なの。
でも、ただ話を聞いてもらいたいだけっていうのも必要なんだよね。
多分、それは女性脳だからかもしれないけれど。」

その通りだと思います。
答えを欲しいわけじゃなくて
話を聞いてもらうだけでも・・・
私自身もそうでした。

それは、
子育てをしながら
少しずつ分かってきた
大切なことだと思います。






2025/09/09
252「海外で暮らすこと」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

海外での「家問題」はなかなかシビアです。
私自身はちょっと苦労しました。

音楽家は自宅で練習したいので、音問題は深刻。
音大に十分な練習室が整っているのであれば
あまり問題にならないのですが
私の通っていた学校はほぼ全部がレッスン室や講義室なので
純粋な練習室は皆無。

初めての家はピアニストのお宅を譲り受ける感じで入居。
裏庭に面していて、日中でも薄暗くこぢんまりしたアパルトマンでした。
きっと昔は小間使いの部屋だったのではないか?と思うような造りで
トイレは玄関を出た先にあり(もちろん自分だけのトイレだが、自宅の扉を閉めてしまったら戻れない)
シャワーブースは湯沸かし20分、温水の出る時間が10分。
キッチンと呼べる場所はなく、簡易式電熱コンロが2口。
洗面所とキッチンの洗い場は同じ。
暖房器具がないのでオイルヒーターを自分の後をコロコロ転がして談を取る。
冬は本当に寒かったです。
若いとそんなことは全然気にならなかったですが
あの部屋を経験したおかげで
部屋に関しての期待値は一気に下がりました。
あまり、こだわりがなくなって
センスを磨くという努力をしなくなりました。

色々あって引っ越しをした次の家も
やはりヴァイオリニストから譲り受けた部屋でした。
明るくて小さなバルコニーもあり
大きいバスルームと洗面所もきちんとある
生活に十分な家でした。
ただその一帯は、低所得者用アパート群だったので
あまり治安が良くなくて
「え?あの一体に住んでいるの?」と驚かれたことも。
それでも、自分の仕送り金額や生活費を考えれば順当だと思いました。

今思えば、もう少し快適に過ごすことができたかもしれない、と
思うこともあるのですが
なにしろ生活することに手一杯でした。

今、娘たちが海外生活で
部屋に関してしっかりと
自分の居心地を重視して
基盤を整えていることに
驚きと羨望のまなざして見ています。

外で何かあっても
自分の家が安心で守ってくれると信じることができれば
自分自身を失わずに過ごすことができます。
どんなに短期間であろうとも
いつ退去を迫られても
不安定のまま過ごさない彼女たちの姿を
見習わなければいけないなぁ、と思いました。

海外で暮らすということは
全て自分の責任で過ごすということ。
その自分を、自分自身が癒してあげることの大切さを
彼女たちは身に着けているのだなぁ、と思いました。










2025/09/08
251「3年目のスイス・次女」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は、次女がスイスでの修行を始めてから3年目の学年が始まった日。
2年前に成田空港から飛び立つ飛行機を長女と見送り
燃えるような夕焼けを眺めながら家路についたあの日を思い出しました。

スイスに到着後
猫アレルギーで顔がパンパンに腫れたり
アパルトマン探しで詐欺にあい
警察へ事情聴取でアポイントを取ったり
滞在許可証や奨学金手続きに時間を取られてストレスマックス
学校までの長い通学時間も気が抜けず
フランス語の授業は難しく悔しい思いをしたこと
コミュニケーションがうまくいかずにがっかりしたことも数知れず
食事の準備・洗濯・掃除・買い出し・お弁当作りといった生活も整えていかなければならず・・・
それでもあきらめずに過ごした日々
思い出すだけでも、私自身は疲労感でいっぱいになります。

それでも多分
私には想像もつかない、もっとたくさんの出来事があったでしょう。
次女はなかなか本音を言わない性格です。
大らかに見守ることが苦手な私は
無駄にヤキモキすることが多かったです。
そして、余計なことを言って次女を怒らせることが未だに多々あります。

【子育ては18歳で終える】
握っていた手を放し
子ども自身の選択を尊重すること
目だけは逸らさずに
しっかり見ていること

これがなんと難しいことか!

それまでの幼いころからの積み重ねがないと
すぐにできないことは確かです。
さらに、家を出て一人暮らしをするとなれば
心配も増すというものです。

経済的な自立はもう少し先ですが
その準備は着々と進めていきます。
父親がいないという負い目を感じてほしくない、という
私の思いも少なからずあります。

1年目、2年目と経験と知恵を積み重ねて
3年目は3件目の新しい家からスタートした様子です。







2025/09/07
250「季節は巡る・白露」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【白露】はくろ (二十四節気)

夜の気温がグッと下がって空気中に水蒸気が冷やされ水滴となり

草花に朝露がつくようになる頃。残暑が厳しくとも、朝晩が冷えるようになる。


酷暑だった今年の夏。

去年よりも暑さがこたえて疲れる日が多かったです。

何もできなくてグッタリと横になって何もできない〜ということもしばしば。

そんな時は無理をしない。

休む、と決めて動かない。

ちょっとくらい、予定がズレたって

今日中にできなくても

大丈夫!


ただ、そんな日が続くと皺寄せもかなりのものになって

「ヒ〜💦」という状態になることもしばしば。

それも私の本当の姿です。


そんな時

私は一粒梅干しを食べることにしています。

「ちょっと疲れたな」と思っても

休めないこともあります。

ダラけてしまって次の行動になかなか動けない時もあります。


そんな時は冷蔵庫を開けて

小さな陶器の壷から梅干しを一つ取り出して

パクリと。

ゆっくり口の中で味わって

ポイっと種を出す頃には

少しだけ元気になっています。


皆さんはどんな食べ物で

気分を変えていますか?


まだまだ暑い毎日です。

どうかお身体大切に

ご一緒に秋を探していきましょう!


↑このような
ちょっとリラックスしたメッセージを
公式LINE「GRACEFUL STYLE」から発信しています。
二十四節気にそって
その季節の過ごし方・食べ物・気持ちの持ち方など
生活に彩を感じられるように
五感を使って生きていけるような
ちょっとしたヒントになればと思っています。
安心安全の場所。
もしよろしければ登録してください。
月に2回ほどメッセージが届きますよ。

梅干しの効能
*クエン酸による疲労回復・食中毒の原因となる菌の増殖を抑える
*消化促進
*カテキン酸による整腸作用
*疲労を軽減し、リラックス効果がある

食べすぎると塩分過多、胃酸過多になります。
(そんなに何個もたべれませんよね・・・)

まだまだ暑い毎日を
少しでも元気に過ごしたいものです。




2025/09/06
249「ゆっくりと進む」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ようやく涼しい風を感じられるようになりました。
日中はまだまだ暑いし
ヴァイオリンの練習するときにエアコンはマストですが
その他の時間はなんとか凌ぎやすくなりました。

ちょっとした変化で
季節を感じる「感覚」は敏感でありたいものです。
  • 陽ざしのぬくもり
  • 光と影の陰影
  • 地面のあたたかさ
  • 雲の流れ
  • 季節の香り
小さな変化はそこら中に転がっています。
あそこにも、ここにも・・・
私たちはただ気がつかないだけです。

時間に追われるように暮らしていた時は
たくさんのタスクをこなすことに喜びを感じ
効率よく過ごすことが第一で
無駄がないように気を配っていました。

今も時間を無駄に過ごすことには抵抗があります。
ただ、少しだけ変化したことと言えば
無理がきかないことでしょうか。
心や身体が異変を察知する能力が
以前よりも研ぎ澄まされて
「これ以上はNGだよ」と
アラームを鳴らす機能が的確になりました。

無理を重ねて、万が一、自分が壊れてしまったら・・・
自分自身が落ち込むだけではなく
他の人に迷惑が掛かってしまう・・・

冷静に判断する能力が
芽生えてきています。

それは怠惰でもなく
諦観でもなく
人生を降りることでもなく
自分の内側をみるクセがついただけ。

自分の演奏にも変化の兆しはあります。
自分を追い込んで
がむしゃらに弾く自分も好きですが
ちょっとだけ遠くから
自分の姿を俯瞰して
「おや、この先の事を考えたら
このあたりで少しリラックスしておいた方が
最後まで走り切れそうだぞ・・・」と
演奏をコントロールすることができるようになりたいものです。
それは手を抜いているのでななく
賢く演奏を冷静に判断する能力だと思っています。

余裕のある人は
立ち居振る舞いも静かです。

目指したい自分の像が
少しずつ、少しずつ形が明確になってきているのを感じます。

おそい・・・と牛歩の自分を情けなく思いながらも
諦めない自分も良いものだ・・・と慰めています。







2025/09/05
248「弦が切れたら・・・②」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

昨日は弦が切れた時のお話をしました。
その後、気になる他の弦も替えました・・・
汗だくになりながら・・・

本番が近づいてくると
耳が敏感になるようで
自分の弾いている音に妙なこだわりがでてきます。
「もっときれいな深い音は鳴らないものだろうか」
「なんでこんなところで雑音がするんだろうか」
「A船とD線のバランスが悪いのはどうしたものか」

あれこれ考えて
最終的には
「弦を変えた方が手っ取り早い・・・」となることが多いです。

私の場合は
少なくとも本番1週間前までには替えるようにしています。
なにせ、不器用なものですから・・・
私が弦を替えることで
何か不具合ができて、
自力でどうにもならなったときに
1週間あれば、楽器職人の元へ駆け込むことができます。

過酷な夏の暑さ、湿気、汗という環境に耐えて
本番を控えた私のメンタルを支えてくれる楽器。
17歳から共にしているおばあちゃん楽器ですから
繊細な部分もありますが
どちらかといえば順応性が高くて
頼りになる存在です。

「ま~た、そんな無茶して~勘弁してよ!」と
文句を言われているような気がするときは
「ごめん、ごめん、でも何とかよろしく~」

「え~ん、どうしよう~」と泣きそうになる時は
「まぁまぁ、なんとかなるからまかしとき!」と
安心させてくれます。

弦を替えるときも
「気ぃつけなさいよ~。ほらほら、しゃんとしなさいよ~」と
言われているような気がしました。

楽器との協働。
本番に向けて、更に会話を増やしていきたいものです。





2025/09/04
247「弦が切れたら・・・」  

(別の場所にアップしていたので変更しました)


こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


昨日、ひさしぶりにE線がバチコーンと切れました・・・

暑さと湿気と汗で

かなり過酷な夏の時期だったので

いつ弦が切れてもおかしくない状態でした。


ちょうど練習が終わるタイミングだったので良かったです。


切れた瞬間は、さすがに「おおっ」となるのですが

どの部分から切れたのか確認します。

根元か?

真ん中か?

先か?

(E線は根元からの場合が多い)


次に楽器に傷がついていないか確認します。

今まで傷がついたことはないのですが

一応確認。

(切れた弦を持ちながら楽器を持ったりすると

自分で傷つけることがあるので要注意です)


後は粛々と弦を取り換えます。

スペアの弦は、それぞれ2本ずつくらい持っているので

取り換えたら補充するようにしています。

(今回はスペアが1本しかなかったので

焦って今日、買ってきました)


楽器は4本の弦を張った状態が本来のテンション(張力)なので

速やかに弦を張り変えなければなりません。


私はこの弦を変える作業が苦手です。

小学校高学年からずっと自分で張り替えているのですが

なかなか思うように弦を張ることができません。

不器用なんだと思います・・・

糸巻の向きによって、調弦が容易だったり、難しかったりするのですが

いつも1回でできたためしがありません・・・


四苦八苦してやり直していると

今度は駒の角度が変わってきてしまいます。

楽器と駒は90度。


やっと張り替えて

新しい弦を弾いてみると

新品の音がします。

キラキラして

ちょっと生々しい音。


そこで慣れるために

音階を弾いたり、練習曲を弾いたり

全部の弦を弾いてみたり

バランスを整えていきます。


ここまでの作業で20分くらい。

私の場合は緊張するので汗だくです。


深呼吸をして終了。


しばらくしたら

もう一度楽器ケースを開けて

弦の様子を見ます。


この作業をオーケストラの演奏中に

舞台上でやってのけた古参のメンバーがいました。

コンチェルトを演奏していたソリストのE線が切れた時に

「この弦に張り替えて3楽章までに返して」と言われて

楽器と弦を持たされたことがあります。

通常、弦が切れた時は舞台袖に戻って

弦を張り変えたり

別の楽器を持ってきて演奏を続行することになっています。

この時は、舞台袖まで戻らず

舞台上で今すぐ変えてくれ!ということでした。

ただでさえ苦手な弦の張替えに「私はできないからお願い!」と

後ろの古参のメンバーに渡しました。

黙って弦と楽器を受け取り

2楽章という静かな楽章の中を音もなく作業し

時間ぴったりに楽器がソリストの手に戻り

完璧な調弦で演奏が終わったとき

私たちオーケストラのメンバーは

古参のメンバーにブラボーを言ったという

懐かしい思い出があります。


しみじみ・・・





そういえば・・・

今回弦が切れた時

根元のループ部分が飛んでいったはずなんだけど

見つかっていないから

部屋のどこかに転がっているかもしれないが

踏みつけたら痛いだろうなぁ・・・

2025/09/03
246「ベートーヴェンとともに歩いていく毎日」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

12月のリサイタルを頭の隅に置きながら
今は目前の「Mube'88」のコンサートに向けて
そろそろエンジン全開で準備しています。

今回はジョイントコンサートなので
ご一緒する方の演奏も楽しみです。

テーマは「ベートーヴェン」
歌曲・ピアノソナタ・ヴァイオリンソナタと多彩な楽器群。
作曲年は1803年~1816年という黄金期。

一人の作曲家が
様々な楽器に対して
どのように魅力を表現し
何を求めたのか

そんなことを聞き比べられる
とても貴重な機会だと思います。

いつも新しい発見を求め
ベートーヴェンからのメッセージを
敏感に感知できるような演奏を目指して
コンサートにむかいたいと思います。

「クロイツェルソナタ」は大好きなソナタ。
今回も学びを経て
自分の中で咀嚼した音楽をお届けしたいです。
12月のリサイタルは10番のソナタなので
そのつながりも意識しながら
9番から10番までの時間経過とベートーヴェンの心の軌跡も
感じられたらと思います。


ピアニストの川元真里さんとは
様々なコンサートでご一緒しています。
地域の小さなコンサートや
学校コンサート
ロビーコンサート
絵本コンサートも試行錯誤しながら共演しています。

お互い
家族・介護・変化の年月を経ながら
演奏スタイルを模索中。
リハーサルの休憩中は
お互いの生活についてや練習の事、
健康、食事、
家族のことなどを話しています。

私たちの
演奏だけではない
生身の音楽家を感じていただけたらと思います。

会場でお会いしましょう。



2025/09/02
245「12月まで」  

こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


リサイタルのチケット発売開始になりました。

12月はまだ先・・・

と思っていても

時間は音もなく進んでいるので

早めに自分時間を確保しましょう!


今年のフライヤーも

ステキなデザインに仕上げていただきました。

この数年は、同じようなスタイルの写真ですが

とても気に入っているシリーズです。


2014年から始まったベートーヴェンのソナタシリーズ。

11年は思いのほか、大きくながい時間でした。

自分の状況がここまで大きく変化するとは思っていなかったですし

コロナ禍なんて誰も想像していなかったし・・・

10年という時間を安易に、簡単に考えていたなぁ‥とも思います。


でも、自分の中にある軸は変わることなく

ひたすらに歩んできたという

まさに【涓滴岩を穿つ】の心境そのものです。


飽きっぽくて

集中力が続かなくて

興味の対象がバラバラで一貫性がなく

気持ちの起伏が激しい・・・


ベートーヴェンのソナタ10番が

私に変化の兆しを与えてくれようとしています。


12月までの時間を大切にしながら

このブログでも

自分について

音楽について

ベートーヴェンについて

その他の楽曲について

綴っていこうと思っています。


そのうえで

当日会場でお目にかかれることを楽しみにしています。




2025/09/01
244「音楽家のための・・・」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ルツェルンにいる長女から
「この本の著者がいるの!
今度レクチャーを受けることになったのよ。
残念ながら本は日本に置いてきちゃった。
電子書籍で買いなおしてレクチャー受けてくるわ」と連絡をうけて
どれどれ・・・どんな本なんだろう?
と長女の本棚から拝借して読み出したら止まらなくなって短時間で読了しました。
『クラシック音楽家のためのセルフマネジメントハンドブック』(ベルンハルト・ケレス+ベッティーナ・メーネ)

”音楽家が音楽家として生きる”
これは長女がずっと考えていることです。

音楽家の立場は正直に言えば、なかなか厳しくて難しい。
安定した職業ではないし
全てが自己管理。
演奏だけではなく、日常生活もこなさなくてはならないし
健康管理もしなければならないし、生きていれば噴出してくる
人間関係や役所関係、煩雑な事務手続きなどで忙殺されます。

そういった中で
10年後の自分は何をしているのか
自分の指針となる方向を見定めて
今日、今からできることを始める。

ライフオーガナイズと同じ手法を使って
行動を細分化していく方法が記されていました。
もちろん、音楽家を対象としているので
改めて自分のことを振り返って
質問に答えてみたりしました。

50代で人生の先を想像するのは
かなり勇気のいることです。
自分で思っているほど先は長くないし
つい数日前に想像していた未来のことが
唖然とするほど簡単に崩れ去ってしまう経験も現実にあるわけです。

私もつい最近まで
年単位での目標を考えることができませんでした。
目の前の事に集中して、こなすことで
安心感・満足感を得ていました。
自分がちゃんと生きること
息をして、食べて寝て、毎日を初めて終えること。
ただそれだけできれば合格でした。

でも、そろそろ次に行く準備は整ってきたようです。

私には捨てる「自分」がありません。
「思い出」も全部抱えながら、重い荷物を引きずって進むのは
容易ではありませんが
そこは50年以上生きてきた智恵があります。
荷物を分散して、持ち運ぶこと。
お手伝いしてくれる人を探す。
道具を使って運ぶ。
一時保管所に預けておくこと。

もしかしたら、いつか「手放す」ことができるものがあるかもしれません。
「捨てる」から始めない。
そう、持っていても動けるのであれば
持っていれば良いのです。

そんなことを思いながら
新しい9月という月を始めました。