こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
先日、毎月届くお花の定期便に
フリージアが入っていました。
箱を開けて
ふわりと香ったフリージアの
黄色い花の姿に
春が来たことを教えてもらいました。
大切に育てられたお花たちを迎えるのが
私の毎月の楽しみです。
3年前の春
私は夫と実父を12日の差で亡くしました。
夫は突然帰らぬ人に。
実父は1年かけて徐々に弱っていき
最期は命を燃やし尽くして逝きました。
葬儀でいただいたお花の数は大量で
それらをどれだけ永く活けておくか・・・
その時の私は
そればかり考えていました。
お花を絶やすことが怖かったのだと思います。
あるとき、実父の隣に住んでいた方が
庭に咲いた花を、小さな花束にして訪ねてくださったことがありました。
「私は母のために花を絶やしたくなくて
いつもなにか、生花を飾っていました。自分のためでもありました。」
あぁ、素敵な考えだなぁ、と心に残りました。
月に2回巡ってくる月命日。
それぞれにお花を買ってあげたいけれど
気持ちに余裕がなくて
忘れてしまったり
時間がなくて困っていた時
SNSでお花のサブスクを見つけました。
最初のうちは
それぞれの月命日に合わせて配達してもらいました。
色の指定は白を基調にして。
お花が届くと
バケツに水を張って休ませてから
好きなようにアレンジして飾ります。
お花の様子を見ながら
小分けにしたり
1本だけ活けたりして
2週間は余裕で保てるように。
夏の暑い時期は
届いたお花も、すでに息も絶え絶え。
飾っていても
早くに弱ってしまって可哀そうですが
一生懸命に命を燃やして咲いている姿は
私にとって生きる力を与えてくれる存在です。
そのうち
絵の具が混ざりあうように
気持ちの中で輪郭が緩やかになったころ
サブスクを月に1回の頻度に変更しました。
そして、色の指定を「おまかせ」にしました。
実父は実母と一緒に過ごしている、という
根拠のない自信と
夫は自分から離れることはないと思うことができたから
自分のためにお花を贈ろうと決めました。
全て自分で決める。
どんなに時間がかかっても
どんなに他人からの言葉に慰められたとしても
本当の自分の心は
自分しかわからない。
その姿をサブスクの花たちは
静かに見つめ続けてくれています。
ふわりと漂った
フリージアの香りは
一瞬で春の思い出を運んできました。