297「クリスマスマーケットのマグカップ」
2026/10/26
【思い出のマグカップ】
食器棚の中に並んでいる様々なマグカップ。
大半はドイツに住んでいた頃のクリスマスマーケットのものが多いです。マグカップ目当てにグリューワインを飲み、町の名前が入ったものや、ちょっときれいな模様を見比べながら厳選して持ち帰ったものでした。茶系のマグカップ紅茶も珈琲も美味しく飲めて、耐熱ガラスは色合いも良く見えて気に入っていました。丈夫で、予想以上に壊れにくく、子育て中の忙しい時もサッと使ってゴシゴシ洗うといった普段使いのお供でした。かなりの数を揃えていたので、本当に助かりました。それぞれに思い出があって、それを使うたびに思い出す出来事がありました。友人の住んでいる町のマグカップ。少し遠出して夫と一緒に行ったクリスマスマーケットのマグカップ。寒い冬の日に熱々の白ワインのグリューワインを友達と笑顔で飲んだこと。でも、思い出は遠い昔(30年以上になる?)にかすんでくることが多くなり、その思い出を一緒に語る人がいなくなってしまいました。マグカップの出番が激減して、今は自分の生活に合う柄や大きさを好んで使うようになりました。クリスマスマーケットのマグカップはずっと食器棚の奥に並んでいるだけです。食器を眺めながら、私はこのマグカップをどうしたいんだろう・・・とふと思いました。これから先、このマグカップを眺めて使うことがあるのかしら?使うときはどんな時かしら?そう思ったときに「あ、記憶に刻まれているものは、物体として必要ないかもしれない」と思いました。それよりも、今、そしてこれからのモノを大切にしたいと感じました。記憶はずっと残ります。マグカップの話は、きっと何回でも繰り返し話すことになるでしょう。娘たちの経験と私の経験と共に、紡がれる物語として。
今の食器棚には、娘が持ち帰ってきたクリスマスマーケットのマグカップと私が形が気に入って使っていたマグカップの二つが残っています。