塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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179「教会の存在・視察旅行③」

2026/06/28
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今回訪れた街は、私のテリトリーではなく娘たちの生活する場所なので、少し事前準備が必要でした。特に次女の住むスイスは馴染みのない国。そして言語がフランス語主流の地域なのでドキドキしました。空港についても一人でなんとかホテルまで辿り着かねばならず、まずはシャトルバスがどこにつくのかわからずにウロウロ。インフォメーションで聞こうと思って「ええと、何語でしゃべるんだっけ?」とすでに頭の中がザワザワ。英語で質問して何とか聞き取って、よくよく周りを見渡せばきちんと矢印付きの案内が書いてある・・・。

はぁ。

自分の視線の低さ、視野の狭さに愕然としました。もっと上下左右の振り幅を大きくしなければ、案内板も探せない・・・。飛び込んだトイレが男性用で焦ったこともありました(もっと焦ったのは男性たちだったはず)。


娘たちには海外(主にヨーロッパ)の街に始めて行ったときには、教会の塔に上ることを勧めていました。大抵教会というものは、その街の中心に建っています。街の全部が見渡せるので地理感覚が一目瞭然でわかります。初めて家族でヨーロッパを旅した時は、ありとあらゆる教会を訪れて登れる塔には登りました。彼女たちは今でもそれを覚えていて、私には各都市の教会の位置を一番に教えてくれました。どの教会が上に登れるのか、いくらかかるのか、まで。ジュネーブの大聖堂。ローザンヌの大聖堂。ミュンヘンの教会。フランクフルトやヴュルツブルグの教会。それぞれの街の教会を訪れて、静かに座りながら深呼吸をする時間が自分の助けになりました。昨今、信者の少なくなった教会は、毎日扉を開けておくことを断念して決められた日時しか訪れることのできないようになってしまっています。でも、今回訪れた教会はどこも開いていました。ジュネーブの街はG7開催のために警備が厳しくて、高級店や高級ホテルはベニヤ板で囲われていましたが、教会だけは泰然と扉を開けていました。ローザンヌ大聖堂は丘の上にあり、教会にたどり着くまでに体力を消費しましたが、中はひんやりと涼しくて思わずほっと溜息をつきました。その他の教会内も、静かで静謐な空気が漂い、人々の安堵感があふれていました。ヴュルツブルグの聖キリアン大聖堂横の売店で長女が購入したプレイモビルのフィギュアについて、嬉々として説明してくれたおじさんは、きっと信者に違いないでしょう。ミュンヘンの聖ペーター教会では、コンサートのリハーサルが行われていて、残響の長さを懐かしく思い出しました。どの教会にもパイプオルガンやリードオルガンがあり、その形や大きさを眺めることができたのも感動でした。古くて修理ができないオルガンもあって、寄付を募っている様子もありました。パイプオルガンの音が聴けたらもっと良かったけれど・・・。

生活に密着する教会の存在は、人々の行動すら変えてしまいます。次女は自室に聞こえる教会の鐘の音で、勉強や練習の始まりを意識していたと言います。


一人で行動することも多かったこの旅で、教会の存在は私にとって大きな助けになりました。

困ったら教会に行けばいい。

懐の大きな教会の存在を改めて実感しました。