塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2026/01/23
23「リサイタルの準備はじめています」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のリサイタルのプログラムを思案中です。

この時間が
一番楽しくて
一番無責任で
一番苦しい

弾けるかどうかわからなくても
弾いてみたい
勉強してみたい

夢だけ膨らませて考えている
この時間が楽しい

その後は
プログラムの構成を考えつつ
時間配分
ストーリーを組み立てて
練習を重ねていく




だいたい最後には
「誰だよ、こんな無茶なプログラム考えたの!」って
怒るけれど・・・(アンタだよ・・・っていつもツッコミする)


2026年12月13日(日)
14時開演(13時30分開場)
東京オペラシティリサイタルホール

ヴァイオリン:塚本香央里
ピアノ:森田愛矢









2026/01/12
12「音の欠片を探す」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ぽっかりと気持ちの空っぽになった休日。

この数か月で読んだ本を並べてみた。
忙しくて気持ちに焦りがあったときに読んだ本。
一行読んだだけで止まらなくなった本。
気持ちが追いつかなくて、ページがなかなか進まなかった本。
学びを深めるために読んだ本。

エッセイ・小説・ハウツー本・ムック本・・・

”本は内容全部が身にならなくても
ほんの一文だったり、ひとことが心に刺さればいい”

誰かの言葉に安心して、私は本を読み続けている。
テレビやYouTube動画に流されないように
自分の直感を頼りに選書して
活字を追っている。


音楽家はいつも練習しているわけではない。
心を研ぎ澄まして
心の深部に焦点を合わせて
じっとしているときもある。

何も考えずに
空の色が変化していくのを見つめて
ぼんやりと
音の欠片が鳴りだしてくるのを待っていたりする。

結局
何も聞こえずに、何も起こらずに
夜の闇が迫っているだけが
いつものことだけど。



冬の時期は
私にとって大切な季節かもしれない。
無駄に想えるような時間も
この季節だったら許してもらえるような気がするから。

心を開放したり
楽器を鳴らして耳を澄ませたり
行ったり来たり
想いに任せてみる。



明日から少し
チャンと練習しよう。







2025/12/20
354「地域で演奏する意味」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のコンサートがすべて終了しました。

リサイタルを終えて4日後の本番は
私にとってかなり厳しい状況でしたが
(体力的・気持ちの切り替え的)
お世話になっている地域のためには
頑張りたいと思いました。
編成も曲目も全く違いましたが
音楽を奏でることに差はありません。

ちいさなコミュニティハウスで
可愛らしい小さなお客様と
シニアの方へむけての演奏。
絵本を読み聞かせながら
ヴァイオリンデュオで奏でる
音楽の世界に浸っていただきました。

「生の演奏は、やっぱり素敵」
「子どもが身体を揺らしながら聴いていて楽しそうだった」
「楽しかった」

嬉しそうに
笑顔で帰っていかれるみなさんに
こちらも元気をいただきました。

段取りや
最終調整は現場合わせの綱渡りですが
それもまた楽しいです。
完璧ではないからこその
隙間のエッセンスに
自分の経験が詰め込まれます。

終わってホッとしました。

お疲れさま、自分。





2025/12/18
352「トラブル対処も経験」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

思いがけないトラブルはよくあるものですが
それが本番当日だったりすると・・・焦ります。
今回のリサイタル当日
ホールに到着して
車のトランクを開けようとしたら
開きませんでした・・・

何度ボタンを押しても開かず
何度トランク本体の開錠を試みても
開かない・・・
トランク内にはプログラムと配布物
衣装まで入っています。

サポートスタッフの女性と
しばらく(といっても5分くらい)
すったもんだしていると
「塚本さん、プログラム原稿はありますか?
万が一の場合に備えて印刷に回します」とのことで
メール内を探して転送し
私はスマホで開錠する方法を探したり
ディーラーに連絡してみたり・・・

結局トランク本体は開かず
女性スタッフと私の
手あたり次第の模索で
後部座席からトランク内のものを
取り出すことができました。
その間30分。

私の脳内は
「あれ?なんで開かないんだろう」
「何かスイッチを押したかな?」
「慌ててもしょうがないけれど」
「そろそろ次の手段を考えねば」
「プログラムは何とかなりそう」
「衣装・・・着てきた服で弾くか」
「でも、何とか、なりそうなんだけどな」

以前、後部座席からトランク内に
スキーを入れた記憶がどこかに残っていたので
根拠のない「なんとかなる」が発動されて
取り乱さなかったのかもしれません。

しかし・・・
こんなことがあると
少なからず影響はあるので
細心の注意をしました。
小さなことでも
演奏に響くのは自分でもわかっていたことです。

しかし、その30分のズレは
その日のリサイタル開始まで尾を引いて
全てに対して少しずつギリギリになってしまいました。
(共演者への昼食買い出し・録画設定・本番前のルーティン)

そんな時は敢えて集中力。
お腹に力を入れて
腹を括る。それだけです。



後から
「塚本さんの送ってくれたプログラム原稿は
去年のものでした・・・」

まぁ、私のすることなんて
そんなものです・・・・





2025/12/17
351「リサイタルプログラム、どう決めた?」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は私が今回のリサイタルの曲目を
どのように決めたのか?という経緯をお話ししましょう。

今回のプログラムの中で決定していた曲は
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第10番とプーランク。
プーランクに関しては、
去年のリサイタルに弾こうと思っていたのですが
「クロイツェルソナタ」とカップリングするには
自分の体力的にも内容的にも
かなり無理があるので断念。
今年のチャレンジとして準備していたのですが
他の曲がなかなか思いつかずに苦労しました。
そこで、ChatGPTに相談すると
「ガルシア・ロルカ」というポイントを見つけてくれて
ファリャの「スペイン民謡組曲」を勧めてくれました。
なるほど・・・と思いつつも
実はスペインの作曲家はあまり自信がなくて
迷いました。
「ちゃんと本物の音楽が伝えられるのだろうか?」

小さな曲の集まる組曲は、それぞれの音楽を
短時間で浮き彫りにする高度な技術と精神が必要です。
どちらかというと、じっくりと表現できるソナタが得意な私は
組曲のもつ瞬発力や展開の切り替えが苦手です・・・
でも、これを機に勉強してみるのもよいかもしれないと思いなおし
3曲は決まりました。

今年は無伴奏を入れようと思っていました。
久しぶりにしっかりと暗譜して、アタマに喝を入れて
尚且つ思い入れのある曲と言えばイザイ。
思い出のあるこの曲は、ドイツ留学時代の初めに勉強して
卒業演奏会で両親にも夫にも聞いてもらいました。
その後も節目になる年に演奏するような
エポックメイキングな曲。
今年の自分にピッタリだと思いました。

さて、これらの曲でリサイタルを始めるには無理があります。
イザイからコンサートを始める勇気はなく、
そして、時間的に若干短すぎる・・・
なにかリサイタルへ誘う曲がほしい・・・

そこに、長女からおススメされていた芥川の曲が思い浮かびました。
「譚詩曲(BALLATA)」
執拗なリズムオスティナートは
私の心の鼓動でもあり
自分で自分を傷つける痛みでもある。
そこへ日本の風景が重なる音列に
自分自身の感情の起伏を乗せて弾くことができたなら
この2年半の喪の期間が
再生へと向かうことができるのかもしれない。

私が音楽に乗せる感情は
全て自分が経験したことが素になっています。
それは嘘偽りがないものです。

曲が決まると、あとは演出。
初めてクラシック音楽を聴く方も
楽しめるようなちょっとした演出は
今の業界では普通のことです。
過度な演出は私の目的【本物を聴く】から外れるので
最小限でも印象的に使いたい。
そうなると照明。
暗転から照明のフェードインは2年前に経験済み。
・・・あ、また塚本はこの方法選んだな・・・と
思われた方もいらしたかもしれませんね。
2年前の思惑としては、始まるときの拍手が煩わしかったから。
拍手に迎えられて笑顔で舞台へ出ていく自信がなく
とにかく、自分だけに集中したかったからという理由でした。
しかし、今回は完全に演出。
芥川の世界観に誘うにはこの方法しか考えられませんでした。
(音出しキッカケから10秒で照明100%がリクエストでした)

芥川(導入・詩)→
ファリャ(スペイン各地を巡りながら言葉を想像する)→
プーランク(ロルカの詩から戦争・死の表現・喪)→
イザイ(塚本個人のエポックメイキング曲・展開)→
ベートーヴェン(リサイタル本来の目的への回帰・最終着地点)

ここまで創りあげるのは
なかなか難しいのですが
毎年のリサイタルはテーマも含めて
かなり熟考を重ねます。

その他、今年のリサイタルで気をつけたことの中に
MCをいつもより厳選しました。
(それでも、しゃべりすぎましたが・・・)
わかりやすく、言葉を選んだつもりです。
これは、アナウンサーの友人からアドバイスされたことと
お芝居を見に行って女優さんに学んだことです。
やはり、プロフェッショナルな方には
学ぶことが多いです。

私のコンサートは
楽しいけれど
学びがあって
自分の心の中にある
まだ開けていないドアをノックして
耳を澄ませてみる
・・・そんなコンセプトなのかもしれません。


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