塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/12/16
350「リサイタル・アンケート」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタルでお配りしているアンケート。
短い時間ですが記入していただけるととても嬉しいです。
(去年からQRコードをつけたので、
帰宅されてからゆっくり記入して
送信してくださる方もたくさんいらっしゃいます。
ありがとうございます!)
みなさんのコンサート後の興奮と息吹が感じられて
読ませていただきながら、
次のコンサートの企画を考えるのが楽しいです。

今回はその中から少しご紹介しましょう。
皆様のその時、その瞬間に感じた感情が
筆圧、言葉の強弱、文字の大きさに表れていて
原文を読むときは
ちょっと緊張します・・・

◎音の旅ができました!
◎バイタリティーあふれる・エネルギッシュ・ピアノももちろんすごい!
◎力強く・時に優しく・奥深い音色に聞きほれました
◎塚本さんの音色の豊かさに驚きを隠せません
◎ベートーヴェンは安定の美しさ・今回はプーランクが圧巻・メロディに魅了された
◎プーランク、ガツンときました
◎毎度ながら意欲的なプログラムで特に前半は新しい響きにワクワク感があった
◎楽しく、でも真心こめて弾いていらっしゃるのがとても伝わってきました
◎選曲もバラエティに富みプーランクとイザイは特に圧巻
◎ピチカートの響きが曲によってとても多彩で印象に残りました
◎年々パワーアップしている
◎めったに聞けない10番が聴けて嬉しかった
◎塚本さんのコンサートではいつも新しい出会いや気づきがある
◎新しい音楽に出会わせていただいています
◎MCの言葉でゆったり聴くことができた
◎やわらかい音と情熱的な音がすばらしい
◎前半は重厚感というより重圧感がありましたね。戦争の爪痕ってやはり大きいですね。
◎プーランク、生演奏を塚本さんの表現で初めて聴けて良かったです
◎どの曲も力強く深く、余韻を残しながら心の中に響いてきました
◎ベートーベンを軸にしてストーリーのあるプログラム構成に感心しきって聴いておりました
◎前半のグイグイと迫ってくる3曲を精一杯受け留めました。迫力が凄かったです。

その他にも、たくさんの言葉をいただきました。
皆様のひとことを大切に心に留めて
次の扉を開けていこうと思っています。





2025/12/14
348「私の1年を表現する場所」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日のブログは予約投稿にしています。
さすがに本番当日は書ける自信がないので・・・



私にとってリサイタルは
1年間の自分を俯瞰する重要なコンサート。

どれだけ努力したか
準備に抜かりはなかったか
チラシの文言やプログラムに
自分自身の思いと乖離はないか
自分が経験したことがちゃんと表現できるか
それらがきちんとお客様に伝わるか

リサイタルにいらっしゃるお客様は
長年私の演奏を聴いてくださっている方が多いです。
私の軌跡を見てくださっています。


私はその視線を
良い意味で裏切っていきたいと思っています。


心を動かすには
驚きや視点の変換が必要になります。
いつも同じ変わらぬ自分ではない
変化球を投げられる音楽家でいたい。
音楽に関しては
さまざまな試みをしていきたいと思っています。

今日の演奏が
誰かにとっての
心動かす日となりますように。


*今回のチラシデザインは、私の状況をずっと見守ってくれるデザイナーさんに
「心のひだまりをイメージしました」とのこと。
薄くとも、やわらかくポッと灯るひだまり。まさに私の今の状況だと思います。
ありがとうございました!





2025/12/13
347「リサイタルへの最終ステップ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

風が強くて冷たかった昨日。
リサイタルのための
ピアニストとの最終リハーサルを終えました。

娘たちが小さかった頃は
ピアニストに我が家へ来ていただいて
アップライトピアノでリハーサルをしていました。
その頃は、スタジオを借りるという概念がなく
リハーサルは自宅かピアニストの自宅が基本でした。
ピアニストによっては
仕事や予定の具合で
私の家でリハーサルをする方が良い方も多く
来ていただけると本当に助かりました。
アップライトピアノもそう悪い音ではなく
音響の良い部屋も相まって
我が家でのリハーサルは
悪いものではありません。

娘たちが幼稚園や学校に行っている間の時間。
それ以前は単発で預かってくれる保育園や
預かり保育をしているご家庭にお願いして
リハーサルの時間を捻出することの大変さ・・・
個人練習は娘たちが寝静まった夜中のキッチン。
翌日の食事を仕込みながら
弱音気をつけての練習は必死の形相でした。
その頃はプログラムも自分で印刷していたので
夫が私の横でプログラムを折る手伝いをしてくれていました。

【とにかく、今できることを最大限にする】
言い訳をするな
できることを地道にやれ
できない、と言わない

その頃、私が思っていたことです。
子育てを言い訳にしない。
全部を人任せにしないで
自分でできることは自分でオーガナイズする。

ちょっと大変だなぁ、と思うことはあっても
できないわけじゃないんだよなぁ、と
様々なハードルを、手を変え品を変え
積み上げてきた経験は着実に自分のものになりました。



最終リハーサル後の帰り道で
沸き上がる【思い出】に押しつぶされそうになって
思わず寝たふりをしました。
『あの時間はもう戻らないんだなぁ』と
寂しく思ったり
『もう、あんなに頑張りすぎなくてもいいんだよ』と
自分の肩をポンポンと叩いてあげたいような
複雑な思いに駆られました。

毎年のリサイタル。
一つ一つの本番に
家族の思い出がいっぱい詰まっています。
今年のリサイタルも
その中でひときわ輝いて
私の心の引き出しにそっと置かれる気がします。
たとえ、その場に存在するのは私ひとりだとしても
プログラムの中に
曲の中に
ホールの中に
家族がちゃんといるような気がします。


心を込めて










2025/12/10
344「ピアノのペダル」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ピアニストとのリハーサルは
とても緊張しますが
豊かで学びの多い時間です。

私はまず
「どのような音楽を創りだすピアニストなのか」
ということをしっかりと観察します。

様々な個性を持ち合わせているピアニスト。
その方たちの確かな技術と豊かな表現力を
私自身の音楽と融合させて
一歩先のステージへ変化させたいと切磋琢磨する時間。

「あなたの弾きたいことを教えて。私がそれに合わせるわ。」
安心して任せられるような、頼れるような言葉ですが
私にはピアニストが自分の個性を放棄したように聞こえます。
音楽は一方の押し付けだけで完成するものではありません。
お互いが融合しながら、時に反発しながら
試行錯誤して創りあげていくもの。
意見交換や話し合いがあったり
試奏してみたり、個人練習でヒントを見つけたり
そう簡単に進んでいくものではありません。

でも、もしかしたら・・・
自分の音楽がはっきりと明確で
誰にも譲れない意見と自信があれば
短時間できっちりと音楽が完成するのかもしれませんね。

私の場合は
ちょっと試行錯誤の時間が長くて
ピアニストはウンザリしているかもしれません・・・
(聞いてみたことはないが・・・💦)

唯一、私のこだわりはピアノのペダル。
ペダルの長さ
ペダルの踏み方
ペダルによる音のにごり方
ペダルを離すタイミング・・・
全てを耳で聴きとって
曖昧なところは必ず質問します。

ヴァイオリンにはペダルが無いので
とても興味深く
羨ましく
自分だったらどうするかな・・・と
いつも考えているからかもしれません。

リハーサル後はヘトヘトです。

コンサート中に退屈になってしまったら
ピアノのペダルに注目してみませんか?
左右の足先がしなやかに
繊細に
タイミングを計りながら
ペダル操作をしているところを見ることができますよ。

その動きを窺っているヴァイオリニストは
どんな表情をしているでしょうか?





2025/12/04
338「ベートーヴェンとともに歩む 2025」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のリサイタルは
ベートーヴェンのソナタの完走記念。

2014年に第2番から始めて(2番の方が先に作曲された)
途中、コロナ禍で3回のお休みを挟み
2023年に2曲を演奏し
2025年に10番目まで辿り着く
長い長いプロジェクトでした。

始めた当初は気軽な気持ちで
「これでしばらくプログラムを考えなくてもよい!
少なくとも半分くらいは・・・」と
ウキウキした気持ちでした。
毎回のテーマを決めながら
プログラムを考えることは
なかなか難しいものです。
ひとつテーマ(ベートーヴェン)が決まっていれば
その手間が省けます。

ベートーヴェンのソナタを
1曲ずつ演奏しながら
その周りをどう彩るか・・・
どのようにテーマを考えていくのか・・・

ベートーヴェンという『軸』があれば
その先を組み立てるのは得意でした。

予期せぬコロナ禍のあと
七転八倒した日々。
暗澹たる思いで紡いだ音の数々。
何度涙しながら
「なぜ、どうして・・・」と虚しい問いかけをしながら
リサイタルの準備をしたことか。

それでも休むことなく続けてこられたのは
私の演奏を楽しみにしてくださる方がいるから。
とちゅう、それが好奇のまなざしに変化していたとしても
自分の揺るぎない思いを
演奏に乗せる強さにしたいと思ったから。

この2年間のリサイタルには
窺うような
好奇の気配
憐れみを感じました。

今回は
私の演奏を
本当に聴きたい方がいらっしゃると信じています。

私が発信するものを
受け手の聴衆も心して聴いてほしい。
【本物を届ける】ことは
作曲家の声を届けることでもあるし
演奏者の思いを音に乗せることでもあります。

長い長い年月でした。

ベートーヴェンは
静かに
そして確かに
私の傍らに存在していました。

その「鼓動」
そして私自身の「静かなる躍動」が
私の生きる源。

「死」を乗り越えたり
肯定したり
納得する気はさらさらなくて
毒をそのまま自分に取り込んで
全てをひっくるめて
飲み込んでしまおうとおもう。

「生きる」って生易しいものではない。

地団太踏んで
泣き叫び
感情をむき出して
拳が血でにじむほどにドアをたたく

それが私の生き方になるのかもしれない。







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