音の旅人ヴァイオリンリサイタル2026。プログラム小出し編。
最後はガーシュイン作曲『ポーギーとベス』。
この曲を選んだ理由はロリン・マゼールのCDの印象が強く影響しています。大好きなCDの一つです。なぜか今回はこの曲を入れたかったです。
マゼールは指揮者でしたがヴァイオリンもかなりの腕前でした。留学時代に参加したオーケストラアカデミーで、マゼールが指揮をする演奏会がありました。コンミスだったため、緊張して演奏会前に楽屋へあいさつに行くと、ヴァイオリンの練習中でした。楽しそうに練習しながら私に笑いかけて「このパッセージが難しい」と言いながら「本番は楽しんで弾くように」と言われました。必死に弾きましたが、楽しい演奏会でした。若者ばかりのオケだったので内情は精神的に疲弊することも多く、コミュニケーションを含めて難しく感じることもありましたが、終わってみれば良い経験でした。なにより、マゼールとの音楽を通しての楽しみがありました。こんなにも、指揮者によって音楽に広がりが出るのか!という驚きと共に、音楽の深さを実感したからです。まさに「本物にふれる」経験でした。
『ポーギーとベス』は5曲からなる組曲。オペラの中のアリアを抜粋して、ピアノとヴァイオリンにハイフェッツが編曲しました。そう、ハイフェッツなのでヴァイオリンはかなり難解です・・・ジャズの要素が強いけれど即興要素はなく、しっかりと弾きこまなければ音楽が逸脱していきます。若くして逝ってしまった才能豊かなガーシュインの曲は、オーケストラで何度も演奏したことがあります。陽気でちょっとアイロニックな音楽は、私の憧れです。