塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/02/04
35「五感を大切にする生活を」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

立春を過ぎて暦の上では春。
まだまだ寒いけれど春に向けて準備をしていきましょうね、という
季節の後押しを感じます。
これは、四季を大切にする日本人の繊細な部分。
私はこの感覚がとても好きです。
日本人で良かったな、と思う瞬間です。

私は公式LINEで二十四節気に沿って
五感を大切にするメッセージを発信しています。
季節の巡りを意識すると
無理のない緩やかな生活が進んでいくように思えます。


少し先の季節を感じながら
音を紡いでいくことの楽しさ。
音楽の中に流れる季節。
空気や色彩の豊かさを感じることによって
音楽の表現力は倍増していくと思います。

西洋文化にはない
日本人にしか表現することのできない
四季の彩り。

主に西洋音楽を再現する音楽家ではあるけれど
自分の生きている世界に自信をもって
生きていきたいと思っています。


GRACEFUL STYLE
五感を大事にする生活をご一緒に感じませんか?


2025/02/03
34「ヴァイオリニストのアクセサリー事情」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日はヴァイオリニストのアクセサリー事情についてお話ししましょう。
ヴァイオリンを演奏するときに、一番気を遣うことは
「邪魔にならない」ことです。
衣装やアクセサリーが気になって、演奏に集中できないことが一番もったいないことです。

私はアクセサリーに関して
  • ネックレスはしない
  • 垂れ下がるピアスはしない
  • 指輪は右手だけ
  • ブレスレッドはしない
  • ビーズ飾りのものは極力避ける
といった制約を設けています。

「ネックレス」は汗っかきなので、アクセサリーが皮膚に張り付く感じが不快なのでしません。
「ピアス」は楽器に当たる可能性があるので、小さくて光をうけて輝くものを好みます。
また、アクセサリー作家さんに作ってもらった右耳だけのビーズイヤリングは好んでつけます。
軽くてしっかり耳に装着できるので落とす危険がありません。
「指輪」は結婚指輪も右手薬指のサイズで作りました。
今は夫の結婚指輪も右手中指にしています。
右手だけは色々と楽しんで重ね付けをしています。
「ブレスレッド」は弓をひっかけてしまったり、ふいに楽器に当たってしまうことを考えて演奏中はしません。
「ビーズ飾り」は悩ましいところですが、洋服であれば肩回りから遠いところであればOKにしています。

コンサートへいらっしゃるお客様は、演奏者がどんな衣装を着ているのか楽しみにされます。
舞台へ出ていったときに、おっ、という声が聞こえると
「よし、今回は成功した~!」と一人でニヤニヤとしてしまいます。
それだけでコンサート自体が盛り上がります。
自分自身が楽しくなるので、お客様にその雰囲気が伝わります。
女性のお客様は、遠くからでもよく見ていらして
終演後にお会いした時に
「イヤリングの色が衣装と合っていて素敵だった」
「指輪がきらきらしていて可愛かった」と
感想を伝えてくださる方もいらっしゃいます。

もし、コンサートへ出かけることがあったときは
女性のアクセサリーに気を留めてみてください。
その方の個性が出ているかもしれません。
その方のポリシーが表れているかもしれません。

アクセサリーに正解・不正解はないので
演奏者のこだわりが感じられますよ。

近頃の男性演奏家も、とてもおしゃれでスタイリッシュなので
彼らのこだわりがどこにあるのか探してみることも楽しいでしょうね。


アーティスト写真を撮るときは
アクセサリーで盛った方が良いなぁ・・・と
反省したものが今日の写真です。
いつもの感じで撮ってしまった・・・
ちょっと寂しい印象ですね・・・

生活者としての自分と
演奏家としての自分に
かなりのギャップのある身としては
時々「おぉ、辛いな」と思うこともあるのですが
その話はまた今度。




2025/02/02
33「娘たちとの会話」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

1月は娘たちがとても忙しい毎日を過ごしていました。
学校オーケストラプロジェクトや室内楽のコンサート、現代曲のレクチャーコンサートのための準備や公開演奏、次の学期に向けて自分の進路を考えたり、オーディションに向けての書類作成などに忙しい長女。
次女は1月に学期末を迎えるため試験が目白押しで、学科内容をフランス語と日本語で理解しながら口頭試験のためにフランス語の精度をあげる、次のステップのための調査と準備のためにじわじわと練習時間を圧迫される日々。
通学時間の長い次女は、試験やリハーサルのために往復3時間を見積もらなければならないので、それはまた別のストレスがあるようです。
二人とも弱音を吐くことはあまりなく、とにかく毎日を必死に頑張って過ごしている様子がわかります。
娘たちとの連絡手段は、LINE、WhatsApp、facetime。
特にfacetimeはお互いの様子が画面でわかるので重宝しています。
8時間の時差(3月末から7時間)は、なかなか大きい時間軸のズレがあります。
それでも顔を見て話せるのはとても安心します。

長女とのfacetimeの時間は、日本時間の夜8時頃。
長女がたいてい朝の練習を終えてお昼ご飯を準備しているころです。お互い食事時なので「何食べてるの?」という会話から、旬の食材の話、飲み物、季節の話から本題に入っていきます。(思いのほか長女はおしゃべりなので、私はほぼ聞いているだけ)
次女とのfacetimeは日本時間の朝6時前後。
次女の1日の予定を終えてリラックスしている時間。日中は学校の授業や練習で時間がとれないため必然的にその時間になっています。(次女は必ずこちらの様子も聴いてくるので、果たして昨日のことを話したらいいのか、今日の予定を話すべきか寝ぼけた頭で考える)
3人で話すときは、たいてい誰か2人が話しているところに一緒に入れてもらう感じです。

年齢の違い、性格の違い、大学と大学院の違い、住んでいる国の違い。
最初のうちは「予定を間違わないように聞いていなくちゃ」「ちゃんとアドバイスしなくちゃ」と思っていましたが
今年になってからあきらめました。
・・・無理・・・

こちらの記憶力の衰えが激しいし、スピード感あふれる若者の生活は常に変化しています。
そして、母親のアドバイスなんて真剣に聞くわけがないのです!
ちゃんと自分で答えを持っているけれど、その答えにたどり着くまでの道のりが明確ではないから話すことによって自分で整理している。
私の役割は、彼らの絡まった思考の糸を少しだけほぐす役割。
あとは自然に道が見つかるはず。


そういえば、自分もそうでした。
ドイツ留学時代に母に電話をかけて、延々と自分の状況を話し、自分で思っていることを話していると
「そうねぇ。いいんじゃない?大丈夫よ」という言葉を聞いてホッとして電話を切ることが多かったものです。
留学を終えて帰国した後に「国際電話の料金代が気になってきちゃって・・・最後の方は聞いていなかったこともあったわ・・・」と言われました。
それでも、私としては単純に聞いてもらえることがありがたかったです。

話すことによって思考が整理されるのであれば、お安い御用です。
二人とも修羅場をくぐる経験は多く、たいていのことは時間をかければ自分で答えを見つけられます。
自分の殻にこもってぐるぐると堂々巡りをするより、サッサと誰か安心して相談できる人に話すことの方がラクに生きることができます。
彼女たちにとってそれが私の役割であるならば、こんなにうれしいことはないと思っています。


私の課題は、自分の意見を言いすぎないこと。
白熱して自分の意見を彼女たちに押し付けていることが(多々)あります。
黙って聞くこと。
ついつい余計なことをしゃべってしまう自分を律することが、今の私が学ばなければならないことです。




2025/02/01
32「本物をみる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私はテレビをあまり見ません。
気になる番組をサクッとみて終わり。
ドラマもニュースも見ません。
(子どものころに見すぎたのかも)

先日、夕食を食べ終わり
なぜか久しぶりに天気予報でも見てみようか、とテレビをつけたら
大迫力の女性歌手が歌を歌っていました。
「あれ、ミュージカルの曲だけど、なんだったっけ?」
と思いながら釘付けになりました。*

我が家のテレビは大したものではなく
(どちらかというと小さい)
スピーカーもテレビ付属のものなので
ものすごく音が良いというわけではありません。

でも、その歌手の歌う
歌詞に表情があって
メロディーとリズムに躍動感があり
心臓を鷲摑みにする声量に
身動きが取れなくなりました。

本物ってこういうことよね・・・

表現するものにきちんと焦点が合っていて
伝えたいことが率直
確かな技術の上に
その人自身の個性が加えられると説得力が増す

アレコレ小細工しないで
straight forward

清々しい思いが駆け巡りました。


自分の道を愚直に歩いていこう、と
改めて思った夜でした。



*ミュージカル「ウィキッド」より Defying Gravity








2025/01/31
31「ヴァイオリンの乾燥対策」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

お天気の良い日が続いています。
太陽の陽ざしがまぶしい。
朝起きてお天気が良いと
それだけで得した気分になりますね。

しかし・・・乾燥が激しいです。
手荒れ・顔がパリパリ・きっと体の中もカサカサで
水分が足りていないのを感じます。
自分自身のケアは、自分で何とかできますが
さて、ヴァイオリンはどうなんでしょうか?

もちろん乾燥しています。
基本的にヴァイオリン自身は西洋の楽器なので
乾燥したヨーロッパの風土に合わせて作製されています。
乾燥に関してはそれほど神経質に考えなくても良いと思いますが
近頃の日本の気候変化には
ちょっと注意が必要かもしれません。

近年の日本は暑くて長い長い夏。
湿気を含んだ空気、とにかく気温の高い毎日。
楽器も人間もヨロヨロになります。
それから
急激に冬に移行してあっという間に厳冬時期。
この頃は秋という季節がほとんどありません。
降水量も急激に減ってしまう関東地方の気候は
ヴァイオリンにとって過酷な状況です。

私の場合は12月のリサイタルを終えた後は
楽器も私も休養時期のため
細かい状態の把握ができていない場合もあります。


なんだか音がバラバラになっている
カサカサした音がする
???
なんだかおかしい・・・(感覚だけ…)

そんな時はたいてい乾燥していることが多いです。
私の楽器には湿度計がついているので
チェックしながら
適宜加湿器を楽器内に入れています。

以前の私はこんなものを活用していました↓

https://item.rakuten.co.jp/miyaji-onlineshop/sr19-7203/

楽器のエフ字孔から差し込むという
単純な道具です。
  • 3時間くらい水につけておく
  • 内部のスポンジを十分に水で湿らせる(コップに水をためてその中に浸しておく)
  • 外側の水滴をきちんとふき取ってエフ字孔から差し込む
演奏するときには外しますが
そのほかの時に楽器を内部から加湿をしてあげることができます。
しかし
  • 楽器に直接触れるのが気になる
  • エフ字孔が小さすぎて入らない
などの不具合があります。


長女が使っているものがコレ↓

https://item.rakuten.co.jp/mikidj/898775001052/

ジェル状になっているので液だれすることなく
楽器内ではなく楽器ケースの内部にくっつけるタイプなので
安心感はあるかもしれません。



私自身は
もともと楽器に装着してあった加湿ケースを
そのまま利用しています。

楽器自身の耐久力も大きく左右されるかもしれません。
制作されて年数の浅いものは
まだまだ季節の経験が少なくて不安定ですが
オールド楽器は長年の知恵から
楽器自身が順応しているような気がします。


楽器を弾く自分たちが
ヴァイオリンと対話して調整することが大切です。




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