塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
 

ブログ

ブログ
2026/03/04
63「自分をサポートする五感」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

発売前から予約していた本。

でも、ずっと読めなかった本。


『真夜中のパリから夜明けの東京へ』 猫沢エミ・小林孝延

心の(精神的な)支えである猫・イオちゃん、最愛の妻・薫さんを亡くした二人の、死とは何か、喪失、再生についての往復書簡。

なかなか読み進められませんでした。

昨年10月末から読み始めて、やっと年が明けた1月末に読了。

ようやくアウトプットできるようになるまで1か月。

涙を流しながら、心を疲弊させながら、時に嫉妬しながら読みました。


きっと彼らは心の中で絶叫・号泣しつつも「往復書簡」というある意味一つのフィルターを通して語られていたので、自分よがりではなく、相手の見方も含みながら大きく「死」を見つめていたような感じがしました。私自身が「そのとおり!」と思うことが書かれていることに嫉妬もしました。

語り始めのぎこちなさや遠慮の空気をズバリと切り込んでいく猫沢さんの繊細な大胆さ。

ユラユラした語り口ではあるものの、根底に流れる揺るぎない強さを感じる小林さんの佇まい。

 

【人生はある日突然風が吹いて、それまでの景色を一変させてしまうもの】

【食べ物を食べておいしいと感じるのは罪悪感なのか】

【心の傷は時間とともに癒えるとか薄らいでいくわけじゃない】

 

どれも自分に思い当たることばかりで、未だに「あぁ、これを見せてあげたかったな」「きっと喜んだだろうな」と喪失を呼び覚ますことがあるのは確かです。それでも、【ただ今を生きることだけに集中して使いたい】と思うことに共感します。

 

【本が読めなくなった時期がある】

【家の片付けに集中した時期がある】

私も同じように、1年以上は文字を追っているだけの読でした。何もしないで電車に乗っているとふいに涙が出てくるので、それをカムフラージュするためにエッセイ本を持ち歩いていました。

「何かを変えるには今しかない・・・自分を守るために、これから私が生きていくためには替えなくちゃ」「いっしょに考えるはずだったことを、とにかく私が粛々と遂行しなければ」と突き動かされるようにバス・洗面所の改修工事をしたり、エクステリアの整備をしました。

 

喪失から再生へと向かうのは、そんなに簡単ではありません。

私はまだまだ弱い心で生きています。

それでも、自分自身を信じようと思います。


サポート方法は一つだけではありません。

その時、その状況によって変化していくものです。

そのことを、私は身をもって学びました。

五感を全部使って自分をサポートしよう。

自分自身をその方向へ向かわせよう。

いまもなお、生きることに必死な私がいます。

 


2026/03/01
60「小説が読めた」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

2月はかなり真剣に本を読みました。

おかげで積読がずいぶん減りました。

買い足さなければ、あと4作品。
(その中に上下巻のものもあるし、すでに次の楽しみな作品リストがあるのでエンドレス積読)

エッセイやビジネス書が中心だったこの2年くらいの読書生活も、ようやく短編や小説が読めるようになってきました。


今月11冊読んだ中で小説は3冊。

『月とコーヒー デミタス』(吉田篤弘)

『ラブカは静かに弓を持つ』(安壇美緒)

『BUTTER』 (柚木麻子)


とても印象に残る本たちでした。

それぞれの世界に浸る贅沢な時間。

ただ、小説は感情が剝き出しにさらされるので、時にその世界から抜け出せなくなることも多々あるのですが、冬眠生活の私にはそういった心配なく過ごすことができました。

「感情が剥き出しにさらされる」・・・こんな状態に自分を投げ出すことができるようになるのに・・・2年という時間がかかりました。


上記3冊には、それぞれ私の心の繊細な部分を刺激する場所がありました。

その細い弦をはじく瞬間が怖かった過去から、ほんの少し抜け出すことができた自分を発見することができてホッとしました。

 

大丈夫。まだ、どうにか生きていけそう。


小説に出てくる人たちは、不器用だったり変人だったりするけれど、どの人も堂々と自分のことを生きています。

それは、カッコいいとか、自信満々ではなくて、誤解がおこったり意思の疎通がうまくいかないような、私たちの生活でも隣の人にも起こっているような出来事で、特別なことではありません。でも、作者の言葉にのると、あぁ、こういうことなのか・・・と改めて自分の身近にある出来事を違う視点で見ることができます。


本を読みながら、グスグスと鼻水をすすった2月の日々。

自分の演奏を、今まで以上150%お客様に届けていこう、と心に決めた日々。

自分という枠をもうちょっと明確にみつめつつ

どうしたら生きやすくなるのかな、どうしたらラクになるのかな、と深掘りする毎日はまだまだ続きそうです。


3月は、本だけの世界に引きこもりすぎないように毎日を過ごします。

 



2026/02/23
54「移動中の読書さまざま」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

近頃は電車に乗るとスマホの画面を覗いている人が多いですね。

私は電車内では外を見たり、人を観察をしているようにして、「スマホを見ない運動」を自発的に行っています。

最近は、『積読解消推進強化期間』(長い!)なので、移動中も本を読んでいることが多いです。

そのため、せっかく外出しても本の内容で頭がいっぱいなので、寄り道をしながら新しい情報を仕入れることができなくなりました。

電車内ではInstagramを流し見している人が大半で、通勤時間には動画を見ている人も多いように思います。

(私は動画だけは見ることができません・・・動画はすごくプライベートな感覚がするのでリビングにいる自分の姿になってしまう。)

新聞記事を読んでいる人もちらほらいますね。(昔は新聞を器用に折りたたみながら読んでいた会社員のオジサンがいて、いつも感心していました)

 

その中で、スマホではなく本を読んでいる人がいると

「あ、何を読んでいるのかな」

と、ものすごく気になります。

本の大きさや形から、文庫・新書・単行本の判別ができます。

そして、購入した本なのか、図書館から借りた本なのか・・・

そんなところもついつい見てしまいます。

話題の本であったり、自分が読みたい本だったりすると羨ましくなります。

きれいなカバーをつけて文庫を読んでいる女性をみると、素敵だなぁと思います。


私の読書スタイルは、かなりワイルド。

気になるページを折ったり、時に傍線を引いたり、ポストイットを貼りつけたり。

出かけるカバンに、ポンと放り込むスタイルなので、カバーを外した表紙がたいてい汚れています。

しおりは美術展のチケットの半券・・・

それでも、初めはキレイだった本の表情が自分に馴染んできて

内容が染み込むころになると、私自身は豊かな気分になります。


本屋さんに行くと、本当にときめきます。

たくさんの作家さんや執筆者の方が、私に向けてアピールしてくるその熱気に大いに巻き込まれて、気がつくとお会計に向かっている自分がいます。


さて、今日も出かける予定があります。
かなり遠くまで移動するのでお供の本は、何にしましょうか・・・小説を読んでいたら乗り過ごしそう・・・


 


2026/02/19
50「老いを知る?昭和を思う?」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

季節が変化してきていますね。

心と身体のバランスを保ちながら、足元をしっかり見つめながら歩いていきたいと思っています。

家にばかりこもっていたら、口角が下がってしまって滑舌が悪くなってしまいました。

久しぶりに『安否確認会』(私がそう思っているご近所の集まり)に参加して大いに笑ったら、とても気分が晴れました。

私って単純です。


今日の話題は本の話。

本を読んで、久しぶりに笑った日々。

思い出し笑いなんて、本当に久々で楽しかった。

 

『吾も老の花』(阿川佐和子)

もともと次女がエッセイ好きで、何冊も買わされた経験がある。

私は阿川佐和子さんといえば、檀ふみさんの往復書簡的な『ああ言えばこう食う』が好きで読んでいた。

時を経て、彼女も年を重ねてエッセイの内容も初老に関してのことが多くなり、私にとってはこれから出会うであろう諸々の出来事が興味深くて、違う視点で読む機会が多くなった。

今回は表紙の色と「古希」の言葉に驚いて購入。

阿川さんも古希なのか!と。

いや、そうだよ、私だって50代後半なんだもの・・・

 

この人のエッセイは、なぜこうも笑えるのか?

その笑いに嫌味がなく、品があってとても清々しい。

父(阿川弘之)との軋轢も、よくよく考えれば理不尽でもあるし許せないこともあるけれど、さらりとかわしてしまうところに、父への深い尊敬のまなざしが感じられる。

身体の変化の記述は本当にそのとおりで、読んでいるだけで「わかる・・・」と静かにうなずいてしまう。

立ったままズボンを片足に入れて「オットット・・・」と前のめりにつんのめってしまう・・・なんていうコントのような姿を、私自身も「自分、危ないぜ」と思いながらやっているが、その先に「ケガ」なんていうことを想像してしまうともう少しおとなしくしなければ、と思ってしまう。

ご本人は「自分は昭和の人間」といっているけれど、私もその気持ちは身に染みて理解できる。

なんだかんだ、昭和という時代は存在が大きくて重い。

私だって昭和を大いにひきずっている。

もう、2世代も前の時代なのに・・・


「昭和って良かったよ、勢いがあってね」

「昭和世代なんで・・・よくわかりません」

と良くも悪くも使い分ける「ズルさ」が昭和後半の私にはあると思っている。

 

「老い」を知るために読んでいたと思っていたこの本は、自分がどういうときに「昭和」という言葉を思いうかべ、どういう風にズルく使っているのかということを、よくよく考えるチャンスを得たような気がした。



 


2026/02/16
47「積読・2月の進捗」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

積読その後の状況・・・


着実に消化しています。(頑張っているともいえる・・・)

2月は今日の時点で7冊を読了しています。自分にしてはかなりのスピードです。

小説・ビジネス書・エッセイ・新書と多様な種類を読めているのでとても充実感があります。


今年の初めに、この冬眠期間中はたくさん本を読もうと「決めた」ことが良かったと思います。

得意ではない冬の時期。

なにをやってもあまりうまくいかない時期。

本を読むことで、少し気持ちを穏やかにしたいという目的もありました。

でも正直に言えば、本を読むことが快適になるわけではなかったのですが・・・

私の性格としては、何かをしていないと不安になるタイプだったので今年は敢えて「とにかく本を読み続ける」ということを自分に課しました。

手始めは自分にとってハードルの低い「エッセイ」から。

自分の好きな作家のエッセイや気になったタイトルの本から。
するりと読むことができるので文字を追うハードルがスッと下がります。

そこから視野を広げる意味で新書や音楽やビジネス勉強のための本。

時々、本の内容に引きずられて落ち込むこともありました。

本は読んでみないとわからないです。

どんな物語なのか。

一つの視点を執筆者がどのように表現するのか。

その視点が自分とズレていたり、表現方法に違和感があるとたちまち本から逃げたくなります。

自分自身の心が弱っているときに読書するのが良くも悪くも気持ちに影響してくるのは、私自身が過敏なところもあるからかもしれません。

それでも、とりあえず読み進めることを自分に課していました。

モチベーションはいらない。

その後はYouTube動画やSNSから情報を取り入れて、自分の興味のあるものや、今まで本棚に眠っていた本を取り出して読みました。

読み続けていくと文字を読むスピードは速くなってくることを感じます。

とにかく読むことをやめない。

本を目に付くところに置いておく、というのも良い効果になっています。

 

私は同時に3冊くらいを、その時の気分によって読み分けたり、外出先に持って行ったりするのですが、その方法も私には合っているような気がします。誰にでもおススメはしませんが・・・


この1年ほど、読書メモ(ノート)をとっています。

私は内容をすぐ忘れてしまうので、読みながらメモを片手に書き抜きながら読み進めることにしています。

気になったことやわからないと思うことをメモしていく。

その時の感情そのままに書くこと。

初めは読了後にメモをまとめて書いていたのですが、それですら忘れてしまう自分の記憶能力に限界を感じてメモを片手に読んでいます。

メモを書いていて嬉しかったことがあります。先日オンライン講座を聴講した時に、その中に出てきた言葉を以前に読んだ本のメモにみつけたことです。本の中に出てきた言葉を講座の内容と繋げることができたという小さな成功体験になりました。


ジャンルは違えども、時期によって選ぶ本というのは傾向が似ているので、メモを取っておくとつながりをしっかり結ぶことができます。

私にとって積読は負のループのようなものでした。なかなか読む時間が取れないくせに読めると信じて本を買ってしまう・・・

今回の積読消化はかなり厳しかったので、今後の本に対する気持ちが少し変化しそうです。

読めなくて苦しい思いをした本たち。

ごめんなさい。

時間がかかっても、あきらめずに少しずつ読み進めていきます。