塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/06/16
167「練習にエアコンつける?」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

梅雨入りしましたが
今週から夏のような暑さです。
湿気を含んだ空気に敏感な私ですが
更に気温が上がってくると悲鳴をあげたくなります。

今日は朝からパソコンに張り付いて仕事をしていたのですが
そのうちダラダラと汗が流れてきました。
久しぶりに額から汗が流れる感覚は悪い気分ではなく
むしろ気持ち良い。
外から入ってくる風が間に合わなくなり
扇風機を回しました。
室内でも29℃あるので
仕事でアタマが沸騰しているのにさらに暑さが増します。

「今日の練習はエアコンをつけなければならないな・・・ちぇっ・・・」

6月にヴァイオリン練習のためにエアコンをつけるのは
なんだか負けたような気がするのは私だけでしょうか。
数年前までは、どんなに暑くても
6月中はなんとか自分をだましながら
エアコンをつけずに練習していました。

しかし・・・
近年の尋常ではない暑さは身の危険すら感じます。

「夏が始まる前に体調を崩してはいけない」

今日の練習は少しリハビリも兼ねているので
ゆったりペースで進めます。
エアコンはやはり快適で
アタマもクリアになって練習しやすいです。
順調に進んでいました。
でも、そのうち足元から冷えてきました。
そして、汗の蒸発した皮膚がひんやりと湿気を帯びてきました。
ここで冷え切ってしまったら、体調を崩してしまうのは一目瞭然。
そこでエアコンを切りました。
エアコンを切ってしまうと、とたんに湿気がまとわりついてきます。
結局汗だくで練習を終えました。

身体の状態はまだ夏使用になっていないようです。

汗をかきながら、体内の熱をきちんと排出できるように
自分の身体もコントロールが必要のようです。

汗をかきながら練習 ⇔ エアコンをつけて練習
この繰り返しです。

今年の夏はどんな暑さがやってくるのでしょうか?







2025/06/15
166「続・本を読む」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本の感想文は得意ではないのですが
備忘録も含めてメモ程度に書こうと思います。
本を読むことは好きですが
時間がないと思い込んで読むのをあきらめていたりすることがあります。
今週は庭整備のために職人さんが出入りしているため
スケジュールに余裕があるので読書三昧の日々にしようと思っていました。


「わたしの渡世日記 上下」高峰秀子(文春文庫)


「巴里ひとりある記」を読了後にすぐ読んだため、合点の行くことが多く納得感もあった。

とにかく読み応えのあるエッセイだった。

毎週1回分、1年にわたるエッセイ。

それも1回分が原稿用紙10枚以上(4000字)なのだからものすごいことだと思う。

それを物書きではない女優が書き上げるのだから「えらいこっちゃ」である。

戦前から戦後までの間、高峰秀子という子役から女優へと進む道にある、様々な人間関係と出来事と世界情勢と、混とんとした彼女の心が浮き彫りになる。

子役としての仕事のため学校へも行けず、毎日毎日撮影所の往復。

『子供にとっての一番の喜びは「学問」以前に「子供同士が友だちを作りあう」ことであり、「生まれて初めての小学校における「集団生活」の経験だと、それをついに持つことの出来なかった私は、自信を持っていうことができる。』

『せめて子供のときくらいは、自然な子供の世界で、子供らしく遊ばせ、子供同士の会話を持たせてやってほしいと私は願う。』

『子供には、感受性はあっても、大人の鈍感さはない』

(以上文中より)
彼女の切実な思いは、今の時代にも心に残る。
私の子育てを振り返るきっかけにもなった言葉たち。

学校へ行きたいという願いも、人気絶頂の彼女にはその選択が現れては消え、結局学校へ通うことができなかった。

だが、彼女には常に【本物の「師」】が常に周りにいた。

監督や俳優、職人から財界人、文豪や芸術家などありとあらゆる人。人間関係ほどすべての勉強に勝るものはないかもしれない。

本物を目の当たりにして、それを無我夢中で対峙することによって磨かれた感性。
だが、それらも素地がないとやはり偽物にすりかわってしまうことだろう。

そして彼女自身も、基礎的な勉強はやはり大切なことだと彼女自身も悟っていたはずだ。


「無知な人間ほど無謀である。」(文中より)

そう思って教えを乞う時には必死の形相だっただろう。
演じるために頭をフル稼働させて想像力を働かせる。
戦前戦後の激動期を、映画を撮るというプロフェッショナルなことに従事して
世情に翻弄されながらも女優として生きていた。
養母との確執を、切ろうと思っても切れない縁は
たとえ自分が稼いだ賃金であっても
生活を支えたのは養母だとわかっていたから。
その、彼女の心意気が文字に表れていて心が痛かった。

「ほかに喜んでくれる人がいなかったから、自分で喜ぶよりしようがなかった。」(文中より)

結局、それができる人が利口である。

「可哀そうに、君は人間として、言葉は悪いが片輪なんだね」と結婚した松山善三に言われてホッとする彼女。

それまでの道のりをあきらめずに不貞腐れずに歩いていた彼女の姿に清々しさを感じた。




2025/06/14
165「本を読む」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

どうにもこうにも
身動きが取れなくなった時。
私は本に逃げます。

「巴里ひとりある記」高峰秀子(河出文庫)

当時人気絶頂の女優「高峰秀子」が

1951年6月から翌年1月までの間、そのうちの6ヶ月近くを過ごしたパリでの生活についてを綴る。

本人は辛いこともあってけれど、楽しいことを綴ることが好き、という著者の心もあって内容はどこまでも明るい。

初めての執筆(というかメモ)なので、拙いところはたくさんあるが魅力的な文体で読み進めることができた。

そこかしこに

「それは大変なことだよね」とか

「その状況の裏側は寂しいかも」

という私の余計な思いが漏れ出てしまう。

海外に一人で暮らすというのは、思っている以上に寂しくて厳しい。

それがその生活に必死だったり、なにか目標があったりすれば何とかやり過ごすことができるが、

後で思えばホロリとすることが多い。

50年代当時のヨーロッパは日本から遠かった。

南回りで延々と乗り継ぎをしながらパリにたどり着く様子はそれだけでため息が出る。

今現在の南回りもかなり大変そうだが、当時と比べ物にならない。

パリに到着しても「お金がない」ので洋服はいつも同じもの。

そのうち仕立て屋さんでコートを注文して採寸する様子はさすがに女優。

5歳から子役として仕事をしながら、学校へも行けず撮影場所がすべての勉強場所だった彼女が、

「これではダメだ」

と一念発起してパリへ行く様は、意地悪な見方をすれば、

「そら、女優さんの一興だから、いろんな支援者がいるじゃない。大したことない。お嬢さんの気まぐれ」

と思うが、読み進めていくうちに

「そうではないらしい」と謎が深まる。

その答えは彼女がその後、50歳間近に書いた「わたしの渡世日記」で明らかになるのだが。

戦後間もない日本も世界も、どこもかしこも虚脱感と躍動感が背中合わせだったようだ。


とにかくこの1冊から、私にパリの景色がありありと想像できた。

ちょっと懐かしくて、切ないパリの思い出。

それは、意外なことに彼女の描写が的確だったからに違いない。

そしてパリは、今も昔も基本的なところは変わらないのだ、と歴史の大きさを感じざる得ない。


所々に描かれたスケッチがおしゃれで小粋。

彼女はやっぱり本物の女優で才能があるんだな、と思い知らされる。



2025/06/13
164「練習するハードルを下げる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

体調がグルグルしてくると
もちろん本業のヴァイオリンにも支障がでてきます。

湿気の多い空気のため
楽器の鳴り方もイマイチ…
指がベタベタしてちゃんと別々に動かない…
浮腫んだようになって気持ちが落ち込む…

そんな時は近年の私の療法。
「練習曲をひたすら弾く」

とにかく楽器ケースを開けて
ドイツ人の師匠から教えてもらったエチュード(練習曲)を
パラパラとめくりながら弾く。

パッと楽譜を広げたページから
番号を順番に進めたり後に戻したり
偶数番号にしたり奇数番号にしたり

え?
プロでもそんなことするの?

私だけかもしれませんが…
誰かのお役に立てれば何よりです。



2025/06/12
163「らせんをグルグル」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

エアポケットに落ち込んだような数日。
調子でないな~と思っているうちに
ズブズブと沼にはまってしまう感覚。
気がつくと身動きの取れないことになっています。

そんなとき、私は
  • 仕方ない、とあきらめて身をひそめる
  • ひとつだけでも用事を済ませる
  • 身体を動かす(私の場合は太陽礼拝をひたすらする)
以上をしながらグルグルしています。
特効薬をみつけられていないので
ぐるぐる、ぐるぐる・・・
そのうち、ポッと、グルグルからはみ出るときがあります。
そうなれば大丈夫。
私の場合は大体2日~3日で元に戻ります。

自分の体調管理って
こういうところから始まるものだと思います。
自分のことを知る。

あなたは自分のことを
どれだけ知っていますか?



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