塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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256「奏楽堂でのコンサート・終演」

2025/09/13
256「奏楽堂でのコンサート・終演」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

9月になるとコンサートシーズンを迎えます。
私にとって、これからの季節は身の引き締まる日々です。
昨日は「MuBe'88 ベートーヴェンの夕べ」コンサートでした。
お足元悪い中、お越しいただいたお客様に感謝申し上げます。

今週になって急にやってくるゲリラ豪雨にビクビクしながら本番を迎えました。
お天気は曇り。
いつ雨が降り出してもおかしくないような空模様でした。
湿度が高く、少し動くと汗ばむような気候。

久しぶりの夜公演のため
カンを取り戻すのに一苦労でした。
(いつ、何をどのくらい食べるか?というのが結構重要だったりします)
さらに、ジョイントコンサートのため
出演者が多いのも難しいシチュエーション。
(いつ着替える?自分に集中するにはどこが静か?など)

湿気を気にしながら準備していましたが
ピアノのコンディションはもっと大変そうでした。
なにしろ、演奏者によってタッチも音量も全く違うので
調整に気を遣います。
演奏者それぞれの椅子の高さを入念にチェックして
ピアノの音に耳を澄まします。
今回は歌・ピアノソロ・ヴァイオリンとの二重奏と編成も違うので
会場への音の届き方も千差万別。

ヴァイオリン族の私は
とにかく自分の楽器に集中して準備を進めました。

共演者の川元真里さんとは
様々なコンサートでご一緒しているので
最後は「お互い全力で楽しむ!」ということで
35分間を弾き切りました。

重要文化財の「奏楽堂」は
懐が大きく、さすがの風格に助けられました。
西洋音楽の黎明期を生きた音楽家たちの息吹を感じて
演奏中はとても豊かな気持ちになりました。
彼らから続く、日本人音楽家の末裔として
少しでもその舞台に音を刻むことができた幸せ。

何度か演奏しているホールですが
今回は特に「歴史」という時の流れを感じるひと時でした。

お客様にとっては
階段が多くて難儀だったり
古い建物なので、廊下等が暗いことなど
普段のコンサートホールとは違った面もありますが
みなさん「来てよかった」「雰囲気がすてき」と
とても好評でした。

まずは御礼まで。